鬱エンド2「真面目なSF」

「もし……もし……」

「優ちゃんか、ごめん、今日は本当にごめん。俺謝るから、許してもらえるまで謝ってやるぞ、何回だって」


 言い過ぎだろうか?かえって脅迫めいたようにも聞こえるかもしれない。

 だが、これは嘘偽りない俺の本心なんだ、伝わってくれ!


「あ……あ……はは、いつもの優さんですね。」

「優ちゃん!」

「誰でもイライラすることってありますよね。私もどうかしていました」

「そ、それじゃあ、俺のこと許してくれるのか?」

「そうですね……みたいですから……」

「ど、どういうことなんだ?」

「優さんはSFとか読まないんですか?」

「そうだな……読むっていうほど読んでない」

「この世界には無数の平行世界があるんです。そして、時々時空が交わることが……あるみたいです」

「何言ってるんだ?さっぱりわからないよ」

「あなたと私は相野優という人間の可能性の1つと1つに過ぎないということです」

「……」

「今日渋谷で私は確信しました」

「……」

「そして悲しいことですが、時空の交わった世界と世界はどうなるかわかりますか?」

「え?どうなるんだ――」

「そう崩――」

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