鬱エンド3「ホラー」

「もし……もし……」

「優ちゃんか、ごめん、今日は本当にごめん。俺謝るから、許してもらえるまで謝ってやるぞ、何回だって」


 言い過ぎだろうか?かえって脅迫めいたようにも聞こえるかもしれない。

 だが、これは嘘偽りない俺の本心なんだ、伝わってくれ!


「あ……あ……はは、いつもの優さんですね。」

「優ちゃん!」

「誰でもイライラすることってありますよね。私もどうかしていました」

「そ、それじゃあ、俺のこと許してくれるのか?」

「そうですね……今からそちらにいきます」

「えっ?」


 気が付くとスマホの画面に何かごみのようなものがついている。

 いや、これはごみじゃない……手形か!

 俺が、そんなことを考えているうちに画面に張り付いた手形の数はどんどん増えてきている。


「うわっ……ゆ、優ちゃん?」


 画面にうっすらと何かが浮かんでいる。

 黒い長い髪の……女性?


 画面から黒い霧のようなものが出ている。

 俺はスマホを手から落としてしまった。

 

 なおも、吹き出す霧の中に何かが浮かんできた……。

 長い黒い髪で隠されて顔が見えない、白装束のようなものを着込んでいるのはわかるのだが……白装束だって!?


「やっと……逢えましたね。こっちに……来てください」

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