第4話 行ってないから分かりません
明菜と雑談しながら色々回り。
いい時間になったので、切り上げる事にした。
色々雑談したが、なかなか楽しい。
・・・
駄目じゃん?!
やばい・・・
彼女のフリをして貰うのを・・・誰かに頼まないといけないんだった・・・
「ん、龍生、どうしたの?」
・・・はっ、そうだ。
「明菜、付き合ってくれ」
明菜は苦笑すると、頭を振り、
「龍生、説明が足りないよ。それだと勘違いする娘が出るよ?」
おっと。
「いや・・・実は妹が厨二病を発症して、彼女が必要で」
「あー。厨二病かあ。流行病の様に来るらしいよねー。良いよ、私も当面彼氏を作る予定もなかったし、やってあげるよ。偽装彼女」
「有り難う」
助かる。
「で、どうするの?連れてこいって言われてるなら、ついていくけど」
「いや・・・まだそこまでは言われてない・・・」
とりあえず連絡先を交換して・・・
明菜がスマホを取り出したので、連絡先やメッセージアプリを登録。
「ん、引っ越してから初めての登録、だね」
明菜が微笑む。
「・・・そういえば、俺がずっと話しかけたり、案内したりしてたからなあ」
明菜がまた苦笑すると、
「私は人付き合い苦手だから、さ。・・・私自身、ちょっと厨二入ってるしね」
すっと、空中に指を滑らせる明菜。
何かの魔法陣、っぽい動きだ。
「厨二病、って程症状は強く無かったんだけどね。妹さんの気持ち、ちょっとだけ分かるかな」
くすり。
明菜が微笑んだ。
--
「じゃあ、私は此処だから」
明菜は、俺の住んでいるマンションの、近くのマンションだった。
朝迎えに来て貰う、とかも可能だな。
さて・・・どうなるか・・・
自室の扉を開けると・・・
妹が三つ指をついて、伏せていた。
「お兄様、お帰りなさいませ」
・・・
「なあ・・・雪華・・・」
「はい?」
妹が顔を上げる。
美人だ。
滅多に見た事がない笑顔。
喧嘩をしていた訳では無いのだけど。
普通のテンションで話す事はあっても、笑顔を向けられた事など、まず記憶に無い。
だが・・・
厨ニ病が継続しているとは限らない。
ここは・・・昨日の事は触れないように・・・
「お兄様、どうなさいますか?ご飯にしますか?一緒にお風呂に入りますか?」
駄目っぽい。
「・・・ご飯で」
「はい!」
--
ご飯を食べつつ、探りを入れる。
「雪華、学校はどうだった?」
「さて?行ってないから分かりません」
ぶっ
行って・・・ない・・・?
今日入学式だろ・・・?
あんなに楽しみにしてたのに・・・?
雪華を思わず、まじまじと見る。
まるで別人の様に豹変・・・
・・・
別人?!
まさか・・・狐憑きとか・・・?!
厨ニ病と狐憑きを併発?!
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