　なんとか琵琶湖の向こう岸へ渡り、新発見をしたい私は、ボートを諦め、流木などを集めては、所謂「秘密基地」に保管して、来る日に備えました。

「たくさん貯まったら、紐でくくって、イカダをつくり、向こう岸まで・・・」

　そんな企みを実行すべく、毎日浜を散策しては流木を集めました。毎日毎日、夢を実現させるために飽きもせず、淡々と流木集めをしてましたね。

　それでも結構な量を集めたと思いますよ。身長の２倍も３倍もある木を引きずって運んでました。

　ほんで結果は、どうなったかというと・・・。

　ある日、大きな台風が琵琶湖を通過しました。

　もうおわかりでしょう。私の秘密基地は、浜にありましたからね。台風一過、基地の様子を見に行った私は唖然としました。コツコツと貯めてた流木は、見事に流されてました。あはは。

　その代わりに別の流木や多分倒壊した住宅でしょうか、柱や梁まで流れ着いてましたから、またそこから木材集めを始めましたね。

　そしてまた流される。その頃になるともう、流木を集めるのが目的になってた様な気もします。

　その後、引っ越しをすることになって、「冒険」の展開も変わりました。

つづく

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