(53)鉄分たっぷり温泉旅

 やったー、リクエスト頂きました!


「(51)今週も、温泉ラジオ」への応援コメント


【お便り】京丁椎さんより

今週も温泉と言う事で、ザ・ドリフターズの『いい湯だな』をリクエストします。風呂と言えばこれですよね。



『すみ』

 リクエストありがとさんです。定番の曲ですね。文字ラジオで紹介した温泉も沢山出てきますね。

 って事で、ザ・ドリフターズの……ではなく、今回はこのエッセイーに因んで「デュークエイセス」の方でいきますね。歌詞に微妙な違いがありますのよ。


 デュークエイセスで「いい湯だな」です。

 https://www.youtube.com/watch?v=CF9FXq2juVc




 さてさて本日最後の温泉は、またまた群馬県は上州のお話し。


 まだ長男が幼かった頃2月、埼玉県の大叔母さんが天寿を全うされ、両親が葬儀に参列すると言うので、土日と使えてない有給消化の為に私の車で行くことにしました。

 帰りに群馬県の信越本線横川駅に寄って「おぎのや」の釜飯を食べたかったり、「碓氷峠鉄道文化むら」を見学したい等と言う下心は勿論ありました。「鉄分」たっぷりです。えへへ。


 京都から中央自動車道を経由して500キロ。夜通し走ってなんとか葬儀に間に合いました。

 告別式が終わった後、私と長男は火葬場に行かず待機する事になったので、それならと東武野田線の「私鉄の103系」と言われる8000系の電車に乗って大宮駅へ。


 当時はオープン直前と言うことで「鉄道博物館」は見学は出来ませんでしたが、大宮駅のホームで新幹線のE2系や400系、E4系など関西では御目に掛かれない車両を見て楽しみました。これには息子も鉄道おもちゃの実物が見られて大興奮。このまま「鉄男」としてすくすくと育って欲しいと思いました。


 一通り葬儀が終わった両親が、


「疲れたし、何処か温泉にでも泊まろう。お金は出すで」


 と言うてきます。予め判ってたら入念に調べて自分で納得して決めて置くのですが、急に言われたので困りました。

 当時、スマホ等を持っていなかったので不本意ながらも仕方なく駅前のデーパートの旅行カウンターへ行きます。


 もう既に3時を回ってましたが、


「今日の晩、一泊。大人3人、幼児1人。群馬県は高崎周辺のいい温泉のある宿」


 と店員さんにオーダーしました。今晩の宿泊、しかも土曜の夜って事で急な予約は無理かなぁと思いました。店員さんも少し困った顔をしてましたが、関西から遥々やってきた私達の為に尽力してくれました。

 時間は掛かりましたがなんとか4人で4万円で予約が取れました。




《温泉 その30》伊香保温泉(群馬県渋川市伊香保町)


 関西の私には初めて聞く名前、伊香保温泉(硫酸塩泉、メタけい酸単純泉)。旅行カウンターの店員さんの一押しの温泉。どんなところやろ期待を膨らませて行きました。

 この「伊香保いかほ」という言葉はアイヌ語に起源があるとか。ここまでアイヌ文化は存在してたんですね。


 関越道を降りて市街地を抜け、今度は山を登って行きます。


「榛名山? もしかして漫画やアニメの『頭文字イニシャルD』の秋名山のモデルになった山では?」


 まさしくそうでした。思わずテンションが上り、コーナーを攻めようと思いましたが、両親と長男も居ましたし、乗ってる車は4WDでしたが1BOXカーのVOXYです。そこは雰囲気だけ楽しんで温泉街に入りました。


 急な斜面の中腹に温泉街はあります。長い階段があってその両脇に旅館やホテルがあります。

 温泉街の中の道も急坂で狭く、サイドミラーを畳んでギリギリ通れるような小道を通って予約した温泉旅館の駐車場に着きました。


 表の階段側から旅館に入ります。木造の古い……いや、歴史のありそうな旅館。少し不安になりましたが着いて早々に温泉へ。


 真冬の寒い時期です。しかも標高もかなりある山の中。温泉に浸かって温まりたかったのですが、お湯は「鉄分」が酸化して少し茶褐色の柔らかくいい感じのお湯でしたが、なんとなくい気がしました。なので少し長めに浸かって体を温めます。


 そして風呂から食事をします。

 うどんが美味しかったなぁ。近くに有名な「水沢うどん」がありますからねー。


「ちょっとお風呂、温かったなぁ」


 と、おかんも言うましたが、これがなんと食事中もずっとポカポカとしていて、汗まで出てきました。いつまで経ってもポカポカして、中々湯冷めはしなかったですね。いいお湯です。


 食後は、旅館の女将さんの勧めで温泉街、つまり階段を巡ります。


 階段は街灯で明るく照らされており、浴衣に半纏姿の宿泊客で賑わっています。


 『伊香保石段街ライブカメラ』

 http://www.city.shibukawa.lg.jp/kankou/ikahoonsen/streetsofikaho/p000210.html


 階段の両脇には今では珍しくなった射的場や遊技場があり、懐かしい気持ちにさせてくれます。幼児の長男も射的や輪投げを楽しみ、景品を貰って喜んでました。


 所々に踊り場があり、そこでは様々な大道芸人が宿泊客を楽しませてます。また酒屋さんやお土産屋さんも多く、昔ながらの温泉街の情緒が楽しめました。


 温泉まんじゅう屋もあり、茶色い饅頭「湯の花まんじゅう」は結構美味しかったです。全国にある温泉まんじゅうの中でも、実はここが発祥の地だそうです。



 次の日は宿を出て温泉街を散策。階段沿いには共同浴場「石段の湯」があります。山を登っていくと露天風呂や「伊香保温泉飲泉所」などがありました。飲んでみましたが、味は普通でした。


 ロープウェイで山頂まで行くと、薄っすらと白く雪を被った赤城山や冬の乾いた上州の景色が堪能できます。利根川の河岸段丘の様子も観察できますね。


 温泉街の入口には、明治の文豪・徳冨蘆花の記念文学館がありました。小説「不如帰ほととぎす」はここで執筆されたとか。

 その他にも夏目漱石、萩原朔太郎、野口雨情、竹久夢二なども訪れているそうです。


 その後、安中市の松井田まで行き、横川駅のすぐ傍の食堂で「峠の釜めし」を食べました。器の「お釜」はお土産に。

 そして午後は「碓氷峠鉄道文化むら」で保存されてる車両の写真を撮ったり、長男と乗ったりして「鉄分」をたっぷり補給しました。


 旅行カウンターの店員さんの勧めで行った伊香保温泉。お湯もなかなか素敵でした。温泉街の雰囲気も含め、私の温泉ベスト3の内の一つです。是非また行ってみたいですね。



 お別れの曲は、群馬のご当地アイドルグループ、湯けむり☆美少女で『湯けむり☆美少女 伊香保温泉バージョン』です。伊香保温泉の階段で踊ってます。

 https://youtu.be/G2ib2iPSuLM



 今宵はこのへんで失礼しますね。


 では、またいつかお会いしましょう。


 勿論、いつやるかは分からない「ゲリラジオ」です。


 いつでもお便りはお待ちしてますね。


 それでは皆さんおやすみなさい。


 ばいなら!

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