(47)温泉と文学 その4
BGMは、高橋竹山で「津軽じょんがら節」です。
https://youtu.be/hCEWmlV84ZA
直接温泉と文学が関係してるエピソードでは無いのですが……。
《温泉 その24》みちのく温泉(青森県西津軽郡深浦町
2009年の北海道出張。いつもは飛行機で行くのですが、上司に許可を貰い、出張の前後に「夏季休暇」を取って電車で行きました。上司とは新千歳空港の駅で待ち合わせです。
トワイライトエクスプレスという現在は廃止された寝台特急で行こうと思ったんですが切符が取れず、仕方なく大阪駅から特急や急行を乗り継いで函館まで行き、そこから鈍行を乗り継いで行きました。
電車に持ち込んだのは、出張に必要な着替えとおやつと飲み物と時刻表。そして私が好きな小説家のひとり、太宰治の小説「津軽」です。
丁度「太宰治生誕100周年」と言うことで、帰りに太宰治の生家等を周って来ようと思ってました。
それ以外にユネスコ世界遺産(自然遺産)「白神山地」の傍を走ってるJR五能線に乗って見たかったんです。鉄分たっぷり旅行です。
行きはその「津軽」を読みながら行きました。太宰治による紀行文の様な自伝です。そのなかに五能線が出てきました。JR五能線の深浦駅近くの宿に泊まった記述がありました。それならそこも寄ってみようと時刻表と睨めっこをして、深浦に寄る為に計画変更をしました。
仕事の後、小樽で上司と別れ、そこから余市町のニッカウヰスキー余市蒸溜所を巡り、前述の倶知安町では温泉に浸かり、函館でホテルの最上階の天然温泉にまた浸かりながら函館の夜景を見て、そして函館駅で朝イチの列車まで野宿。
次の日は青森まで行き、乗換・乗継で五所川原駅まで行きました。
そこからは津軽鉄道線に乗り換えて金木駅へ。歩いて太宰治記念館「斜陽館」へ行きました。
記念館は太宰治の生家でしたが、中身は、
「ふーん、なるほど」
って事で1時間程で見学終了。記念のお土産を買って、津軽鉄道では乗継に間に合う列車が無いのでバスで五所川原駅へ戻ります。そこから単線の五能線の旅です。
林檎畑の中を走り日本海に出ます。途中の交換駅で「リゾートしらかみ」と言う特別列車とすれ違い、思わず写真を撮りまくりました。
それから日本海に沿って列車は走り、
そこからタクシーで深浦駅へ。次の列車を待ってると、この先の乗継に間に合わないのでタクシーです。
そこから歩いて太宰治が泊まった旅館へ。今は、太宰の宿「ふかうら文学館」になり見学できます。そこには太宰に関する手紙や資料などを見ました。
たまたまですがそこで、金木の太宰治の生家からのバスで一緒だった人と再会しました。やっぱり「斜陽館」とセットで周る人は多いみたいです。
再び深浦駅から列車に乗ってJR奥羽本線の東能代駅を目指します。
列車は途中で「ウェスパ椿山駅」という五能線には似つかわしくない名前の綺麗で新しい駅に停まりました。駅のすぐ隣にリゾート施設があるみたいです。
それと同時に見つけたのが、みちのく温泉(二酸化炭素泉・食塩泉)です。
この温泉は、炭酸ガス濃度(遊離二酸化炭素含有量)だけなら日本一です。お湯に浸かると体中に二酸化炭素の泡が着きます。
前述の長湯温泉と泉質は同じで、「心臓の湯」と言われるので心臓病持ちの私は是非、是非入りたかったんですが……、この先の東能代駅に於いては2分で特急に乗り換え無いと、新潟からの電車型の寝台特急「きたぐに」(現在は廃止)に乗れないので泣く泣く諦めて、温泉は次回に持越しとなりました。
あはは。みちのく温泉には入ってません。すいません。
後は余談です。
この寝台特急、滋賀県の私の生まれ故郷「彦根」駅に停車する唯一の特急列車でした。
今は京都に住んでますから彦根に停車した時、降りる必要は無いのですが、停車時間1分のはずが3分位停まってたんですね。
「あれ? えらい長いこと停まってるなー」
と思ってたました。
それから暫くして、列車が走り始めたら私の携帯電話が鳴りました。私の妹からでした。
何やろうと思ってデッキに行って電話に出てみると、
「おにいちゃん。さっきサトシ兄ちゃんが死んでん!」
と言う内容でした。彦根に住んでた私の弟が交通事故で死にました。私は京都の自宅に戻って直ぐに車で彦根へ向かいました。
彦根に向かう途中、電車が彦根駅で長いこと停車してたのは、
「弟が私を呼んでたのかも知れない」
と思いました。
「あの時彦根駅で降りてたらなぁ」
と後悔しました。
少し湿っぽい話しになりましたが、今日はこれで早々にお終いにしますね。
まだまだ温泉の話しは尽きません。またいつか続きをやりますね。
勿論、いつやるかは分からない「ゲリラジオ」です。
それでは皆さんおやすみなさい。
ばいなら!
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