短歌2首「七月三十一日に送る」

雲冠り 頂き見えぬ 伊吹山

末なき旅の 未知へ別れり


 出棺に伴い、ホールの扉が開く。視線の先に望むは雲を冠にした伊吹山。

 見えぬ頂はこれから始まる死出の旅と遺された家族たちの人生を表しているよう。

 死ぬも生きるも先はわからない。それでも生きなければならないし死ななければならない。



往く人に 涼を届けむ 姉川の

流れのように 安らかなりや


 涼やかな姉川の流れは穏やかにいつも私たちの傍にあり。

 青空を映す水面は楚々としてたおやかなり。

 どうか安らかであれ。川の流れのように。

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