七言四句漢柳「雲中暁與霧中人」

雲中暁與霧中人    雲中の暁と霧中の人


曙光薄明浮雲河、   曙光薄明雲河に浮き、

双龍相伴立白波。   双龍相伴ひて白波に立つ。

瑞祥未至漠漠遥、   瑞祥未だ至らずして漠漠として遥かなり、

煩想不絶鱗鱗羅。   煩想絶えずして鱗鱗としてつらぬ。


・押韻 下平五歌(河、波、羅)


・語釈

 曙光…夜明け前の光。

 薄明…夜明け前のぼんやりとした明るさ。薄明り。

 漠漠…薄暗い。物音がなく寂しい様。

 煩想…俗事に関する煩わしい思い。

 鱗鱗…次々と付き従う様。鱗のようにぎっしり並ぶ様。


・解釈

 夜明け前の光がぼんやりと雲の河に浮かび、

 二匹の龍が連れ合って雲の白い波の上に立ち昇っている。

(めでたい天上の光景の一方)地上にはその恩恵が未だ至っておらず、先行きは心許ない。

 煩わしい物思いが絶えず起こり、鱗雲のように連なっている。


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