短歌2首「股」

同窓会 清楚なあの子は ギャルになり

内気な彼は レディになり


 久しぶりに仲間と集まった同窓会、イメージが昔から変わった者もいれば、変わらない者もいて多種多様である。

 美しい黒髪と端麗な容姿だったあの子も、今は派手な色に髪を染め、下品な言葉を嗜むたくましい女性となった。勝手に抱いていた淡い思い出は脆くも砕け散り、私はひそかに落胆する。

 そんな私に小柄な女性が声をかけてきた。くりっとした眼、艶やかな黒い髪、楚々とした物腰の柔らかさ、「こんな子がいただろうか」と困惑する私には名前を告げる。



こたつ越し 素知らぬ顔で 股いじめ

赤らむ君の 丘は雪解け


 こたつを挟んで私と彼女は部屋でくつろいでいた。外は雪が積もり、しんと静まり返っている。思い思いの過ごし方をしている好ましき沈黙の中、テレビの音だけが部屋を賑わしている。

 暇で手持無沙汰な私はこたつを挟んで携帯ゲームに夢中な彼女を弄ることにした。テレビに集中している素振りをしつつ、まずは足先でちょんとスカートから伸びる彼女の足に触れる。

「ん?」とこちらに視線を向けた彼女に、たまたま当たったかのように「あ、ごめん」と返す。彼女が再びゲーム画面に集中しだした頃を見計らって、今度は腿辺りに触れる。

「うん」と一言発しただけで何も言わないので、少しずつこちらの足先を奥に進軍させる。単に手持無沙汰なだけだと示す為に目線はテレビ画面に固定して、素知らぬ顔で彼女の足にこちらの足を絡ませる。

 不審がって「何?」と聞いてくるが、「何でもない。遊んでる」と返す。納得できていない様子だが、ゲームが良い所なのか追及してこない。これを良いことに膝裏から舐めるように太ももへ足を滑らせる。観念したのか、はたまた無視することにしたのか、彼女は何も言わない。

 指も器用に使って太ももを撫でまわす。くすぐったいのか姿勢を変えて逃れようとするが、こちらも負けじと執拗に彼女の柔らかな感触を追い続ける。姿勢を変えずに足だけを動かしているので暑くなってきた。一旦、足を引っこめて靴下を脱ぐ。

 靴下を放って、第二ラウンド開始だ。

 蛇のように気配を絶って、しなやかに彼女の足に自分の足を這わせる。彼女の方は至って平静を装っているが、少し表情がこわばっているようだ。

 ただ、そのこわばりは怒りや不平からきているものではなく、決壊寸前の堤防のような、少しでも気を許したら自分の中の気位が崩れると耐えているようであった。無論、そのような思惑を察知していた私は、なおも彼女への悪戯をエスカレートさせる。太ももから足の付け根辺りに侵攻し、彼女の性感を振興する。

 ぴくっと体を反応させると、彼女はこちらをじっと睨む。抵抗しても、そのようなうるんだ瞳と赤らんだ頬では説得力がない。足の親指でぐにぐにと恥骨周辺をくすぐる。局部に触れるか触れないかの位置を刺激して焦らす。もはやゲーム機に意識が向いていないのは明白だが意地でも反応しないつもりのようで、唇をぐっと真一文字に結んで声を押し殺している。

 そろそろ落としにかかるかと思い、じわじわと攻め足を本陣へ進めていく。下着に足先を触れさせて、それが湿り気を帯びているのを確認してほくそ笑む。

 この雪解け水は私達に少し早い春を届けてくれた。

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