川柳1句「淫れ夜」
夜露垂れ 蕾うるおい 種宿す
樹上に溜まった夜露が木の葉から滑り落ち、根元に生える花の蕾にぴちょんとぶつかる。バラバラになった水滴の一部はそのまま土を、そのまた一部は花をじんわりと湿らせる。生命の源を根からも花からも味わったそれは、体内に次の生命を宿す。
場所は変わって……。
じんわりと濡れた君の花弁から淫靡な水音がぴちゃぴちゃと鳴り響く。必死に声をこらえ、息を漏らす君に僕は「我慢しないで」と耳元で囁く。空いた手で口を抑える君の手を半ば無理やり引き剥がし、秘所への攻めを激しくする。
「やだ! やだ!」と叫ぶので「何が嫌なの?」と優しく尋ねる。激しく収縮する内部の動きに、絶頂が近いことを悟る。
「あなたの……」
言い淀む彼女に対して、先を促すように再度攻めを激しくする。
「んっ……ダメっ……! ダメだから!」
彼女は僕の攻め手を掴んで懇願する。頬がほんのりと赤らみ、目を閉じて息を整える艶やかな姿に下腹部が熱を帯びる。
「何でダメなの? 最後まで言わないとわからないよ?」
「あ……あなたの……」
「僕の……?」
「あなたので逝きたいの……」
もっと意地悪したかったけど、もう我慢できなかった。僕の目を見て欲求を曝け出してくれたことによって、歓喜というか、感謝というか、達成感というか、とにかく男の本懐を遂げた悦楽が胸いっぱいに広がった。
「ごめん、もう……!」
彼女の足の間に入り込み、間髪入れずに突入する。ずるりと挿しこまれた屈強な茎を花弁が優しく受け入れる。
「はぁっ……!」と息を呑んだ彼女の体が大きく剃り返る。深く強い絶頂が脊髄を駆け巡っているようだ。
動きを少しずつ激しくしていく。花弁の奥にある蕾に向かって、一心不乱におしべを打ちつける。
きゅっきゅっと締め付けが強くなり、蕾が花開かんとしていることを感じ取る。
やがて、僕は本能のままに思いっきり精を蕾にぶちまける。どくどくと脈打つのに合わせて彼女の体もびくびくと痙攣する。花弁はぐねぐねと蠕動し、生命の素を残さず味わうように収縮を繰り返す。
一対の命の下に新たな命が生まれようとしていた。
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