川柳1句短歌3首「青春」
黒土に 塗れて吼える 若人は
腕を振り上げ 白歯覗かせ
心身を焦がすような熱闘が続く夏の甲子園、劣勢を強いられる中でも彼らは笑顔を絶やさない。グラウンドに立っているのは聖人君子ではなく、時には悪さもするやんちゃな野球少年だ。
黒土を駆ける白球、黒土に塗れた白地のユニフォーム、真っ黒に焼けた肌から覗かせる白い歯、コントラストの応酬が私達の胸を打つ。
彼らは与えられた。野球ができる環境を。
彼らは勝ち取った。夢の舞台でプレーすることを。
だから精一杯闘い、精一杯楽しむのだ。
声枯らし 息も絶え絶え 肌は焼け
友の為にと 両手組み
戦っているのはグラウンドの中だけではない。
緊迫した展開のまま試合が終盤を迎えると、仲間達の勝利を祈る者も、単位の為に暑さと戦う者も、固唾を飲んで試合の行く末を見守っていた。
息も絶え絶えに声を張り上げたり、何も言えずにじっと手を組んで祈ったり、一人ひとりのドラマがそこにはあった。
肩組みに かすかに見ゆる 恥と照れ
勝利の凱歌に酔いしれるアルプスでは生徒達が肩を組み合っていた。
男子と女子で席を別つ応援団、その境目にそこはかとない照れと遠慮を見つけて私はほっこりする。
花散らし 絹肌に垂るる 白濁の
熱に褥は 色を変えつつ
愛しの君は私に穢れ無きその身を許す。
触れることを渇望していた白き肌を傷つけぬよう優しく……。だが欲望はとめどなく私の体を蝕む。いつしか私は貪るように彼女を押し倒し、抱きかかえ、侵入していた。
暑い。でも離れたくない。
互いの肌が触れ合えば汗が混じり合い、身も心も一体となったかのように快楽が交差する。
こみ上げる快感を受けて脳が信号を発信する。頭脳の片隅に残った理性が私に撤退命令を下す。
絶頂。彼女の内部に侵攻していた私の軍勢が勢いよく外壁に飛びかかる。絹肌に滴る白濁はじっとりと湿った敷布を濃色に染めていく。
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