第2章 第6話

「徹のことがすき。付き合って欲しい。」

告白されたのは突然のことだった。

返事を戸惑った俺を察したのか追加でメッセージが来た。

「一緒に映画見よ。何か見たいのある?」


気がついたら次週の月曜日。

ディズニーの話題の最新作である。

しかし、俺は映画を見ている中で彼女への返事を考えてた。

正直、断るつもりだった。

ただ、告白を断った経験はなかった。

いや、告白をされた事自体初めてだった。

この高校1年になったら一度くらいモテ期が来るかと思っていたのだがどうやら都市伝説らしい。

傷つけたくない。

人が悲しむ姿は見たくない。

どうしたら相手が傷つかずに断れるのか、

俺には分からなかった。

結局その日はそのまま返事を出すことが出来ず、家に帰った。

ちなみにその夜、俺は人生最大の風邪をひいた。


次の日

「返事決まった?」

彼女からのLINE。

「早く返事してよ」

追い討ちが俺を襲う。

そこでふと我にかえる。

なぜ彼女は返事を急ぐのか。

なにかふと繋がる。

この繋がったなにか。


その後の記憶はあまりない。

俺は昨日の記録を見て絶望する。



ねえ?もしかして好きな人できた?

「どうして?」

なんとなくそんな気がした。

「誰かから聞いた?」

いや、聞いてないけど。

「好きだった人に告白されたから」

だから返事急いだんだ。

いつ告白されたの?

「4日前」

映画行く前ね。

「うん。なんかごめん」

じゃあ好きな人いるけど、その人との恋愛が叶いそうになくて、とりあえずその辺にいた簡単に落とせそうな俺でも吊ろうと思って告白して映画誘ったけどその後告白されて、俺の事切りたかったけど自分から誘った手前断れなくて嫌々映画を見てたってこと?

「そう。」

こっちはどうやって声をかけたらいいかわからなくて必死に必死に考えてたのに、そっちはどうやって俺を切ろうと考えたわけね。

「ごめんって」

別に。晴れて思い通りになれてよかったね。

「そんな言い方しなくても」

じゃあね

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