第7話 2つの特典と探し人
(数が多すぎてどれがいいのかわかんないな……。)
そう思いながらもペラペラとめくるのだがどれも似たような物であったり、何に使うかわからないなどが多々あった。どれがいいのか悩んでいたハヤトは背後から声をかけられた。
「どうじゃ、そろそろ決まったか?」
「数が多すぎてどれがいいのかわかんないんだよ。」
「ふーむ、確かにな……。よし、ではわしが決めてやろう。」
そう言って神様は壁の周りをうろちょろし始め2枚の紙を持ってきた。
「わしがおすすめできるのはこの2つじゃな。次元収納と周辺把握。次元収納はその名の通り別の次元に収納出来る力じゃ。じゃが取り出しに魔力が必要な上、容量も本人の魔力量によるでな……周辺把握は自分の周りを把握しやすくするんじゃ。これが以外に便利でな場所を限定すれば目に見えんとこも見えるようになるんじゃ」
「……わかった、じゃあその2つを取るよ」
「……以外にあっさり決めるんじゃな。まぁよい。ほれ。」
そう言ってその2枚の紙を手渡された。するとその2枚の紙は眩くひかり消えていった。
「登録出来たようじゃな。ステータスバーを押して見てみろ。」
そう言われたハヤトは視界の端のバーを押した。城で見た時と同じように広がって1枚の石のいたとなった。
スキルの欄にしっかりと[次元収納]と[周辺把握]が記載されていた。
(まぁ、神様が押すならばそれなりに使えるんだろう。)
「あと1つはどうするんじゃ?」
「あと1つって言われてもなぁ、置いとくこととか出来ないのか?」
ハヤトがそう聞き返すと神様は少し考えるような仕草を見せハヤトに聞いてきた。
「わしの頼み事を1つ聞いてくれるなら出来んこともない。やってくれるか?」
「内容によるんだけど…。」
「人探しといったいところじゃな。お主達に以外にも同時期に召喚された者がいるのじゃ。じゃが、何故か行先が分からなくてな。困っているんじゃ。」
「なんか特徴とかあるのか?」
神様は首を振りながら答えた。
「残念ながらそういった物は分からんのじゃ。分かってることはお主に近しい人である事ぐらいじゃな。」
「会えば分かるってことでいいのか?」
「まぁ、そうゆうことじゃな。やってくれるか?」
神様の問いにハヤトは頷いた。
「俺の近しい人ってんならやるしかないからな。」
「よかろう。お主のスキルの事もあとからつけるようにしよう。」
神様がそう言うとハヤトの足元が揺らいだ。
「そろそろ時間のようじゃな。では次会う時まで生きとるんじゃぞ。」
ハヤトの目の前が徐々に光に溢れ、やがてその姿をそこから完全に消した。
────────────────
ハヤトの姿が消えたことを確認した神様は呟いた。
「これでよかったのか?」
神様の問いに答えようと後ろから現れたのは小麦色の肌の小さな少女であった。
彼女は小さく頷きまた消えていった。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます