第6話 神様?天国?
ハヤトとウェアウルフが落ちた闇に先には水がありハヤトはそのくらいに水の中に勢いよく沈んで行った。
どちらが上か分からなくなったハヤトはパニックに陥ったように手足をバタバタと動かした。
しかしやがて肺の中の酸素が尽きハヤトは意識を失った。
目を開けると雲ひとつない真っ青な空が広がっていた。地面は一面芝生のようであった。
起き上がると見た事のない爺さんが俺の横に座っていた。
「おぉ、やっと来たか。待ちくたびれたぞ。」
「あんたは…?」
ハヤトの質問に爺さんは髭をかきながらのんびりと答える。
「わしはのぉ、人間達に神と呼ばれてる者じゃよ。まぁ、お主の好きに呼ぶがいい。」
「ここは天国とかなのか…?」
「ん!?なぜそう思うんじゃ?」
神様は不思議そうに聞いてくる。
「いや…さっき溺れてたから…。」
ハヤトのその答えに神様は背をそらして大きく笑いながら言う。
「ハッハッハ!大丈夫じゃよ。そなたはまだ死んどらん。」
そう言うと神様は空中に手をかざした。するとその空間が歪みテレビの画面のようになり、そこには横たわるハヤトに必死で人工呼吸するジェミニとハヤトに向けて手をかざす姫様が写った。
「ほう…そなた。なかなかのやり手じゃな…。ほんの数時間でキスまでさせるとは…。」
「いや、え…キスじゃないから!ただの…人工呼吸だから…!」
そうは言いつつもハヤトは顔を赤らめながら唇に手をやる。
(人工呼吸ってファーストキスに入るのか…いやでも…………ちがっ…………う…うわぁぁぁあ!)
1人身悶えするハヤトを横目に神様はニヤニヤ呟く。
「若いっていいのぉ~。」
「うるせぇ!」
ハヤトの本気の怒りに神様は少し反省したように言う。
「……まぁ、お遊びはこれくらいにして…本題に入ろうかの。」
ハヤトはふてくされた面で頷いた。
「間違いとはいえ異世界召喚された者には特典を渡さねばならんのだ。まぁ、住んでた世界を捨てさせるのに比べれば安い物なのかも知れんがな。特典は基本3つまで渡すことになっておる。3つ以上取ればすべての特典の効果が薄まるでな。例えばお主と一緒に召喚されたあの勇者は威圧と身体強化あと全属性耐性じゃったかの…。まぁ、とりあえずお主にもどれか渡さなくてはならんくてな。」
そう言うと神様はさっき空間を歪めて作ったテレビの画面に触れた。するとその画面が一瞬で広がり壁のようになって現れた。そしてそこにどんどん紙が浮かび上がった。
「その紙1枚につき1つの特典が書かれておる。その中から3つ選ぶといい。時間は多少ある。わしは少し消えるでな。まぁ、ゆっくりと吟味するといい。」
そう言って神様は薄くなって消えていった。
ハヤトは端から見ていくことにした。
「えっと…大声に金縛り、剣技向上、交渉術、武具創作にマッピング……………………………………………………」
その後、小1時間ほど見続けたがまだ5分の1も見終わらずまだまだ壁1面に貼ってある紙をみてハヤトは少し絶望を覚えた。
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