第16話 宇宙ゴミ。

こんにちは、お久しぶりです。

斑雪です。もう本当にお久しぶりなカクヨムですが、何となくこの意見文を書いてみました。自宅待機で暇でしたので


 2021年11月15日米国務長官はロシア連邦が自国の衛星をミサイルで破壊する実験を「無謀で無責任な行動」として非難した。この事件は現在地球の周回軌道上にある宇宙ゴミ問題をより深刻にさせるものとして、米国では宇宙ゴミ《スペースデブリ》が、人工衛星などと衝突するリスクがある他、宇宙ステーションに滞在する宇宙飛行士たちの命を脅かす可能性もあるため対策が必要とされている。

 この宇宙ゴミ《スペースデブリ》とは簡単に説明すると、地球周回軌道に存在する、役目を終えた人工衛星やロケットなどの事であり、宇宙開発が進むにつれこの宇宙ゴミは増加の一途をたどっている。それにより、この宇宙ゴミが人類の宇宙活動の妨げや、衛星を破壊する恐れがあり、この宇宙ゴミをいかに除去するかが今後の宇宙開発には必要不可欠である。

 では、現在どの程度の宇宙ゴミが地球の周辺を漂っているのだろうか、JAXAは追尾ネットワークセンターで観測を行っており、10センチ以上のごみはおよそ2万個、小さいものを合わせると1億個以上も存在するという。しかも、それらのゴミが軌道上を秒速7キロ以上という猛烈なスピードで周回しており、このゴミがISS(国際宇宙ステーション)や人工衛星、宇宙空間で活動している宇宙飛行士に接触した際は、とても大きな被害になることが確実であり、いかに現在の宇宙空間は危険であるかがわかる。そしてこの宇宙ゴミをいかに減らせるかが、今後の宇宙開発の命運を握っているといっても過言ではないことも分かってもらえたと思う。ではどのようにしてこの問題を解決するか、それを考えていく。

 まず、宇宙ゴミを無くしていく為には大きく分けて二つの事業を行っていかなければならないと考える。一つ目は「宇宙ゴミを減らす」である。これは出来るだけロケット打ち上げ時や、衛星の切り離し時に宇宙空間に役目を終えた人工物を放置しないことや、それを大気圏に再突入させた際に、地上に被害を出さないために、融解するよう製造したりすることで、新たな宇宙ゴミの増加を止めることが出来る。現在JAXAは国際的に宇宙ゴミを減らすため、国際標準を新たに作成、それを評価するためのツールを作っている段階である。しかし、これはあまりにも対応が遅く、軍拡が宇宙空間まで広がっている現在では、前記した事件がまた起きかねない。その為、この問題は一企業が取り組むべきものではなく、しっかりと国家間で協議し、その対応策と国際標準を早急に作成するべきである。二つ目は「宇宙ゴミを除去する」である。これは専用の人工衛星を打ち上げ、それで宇宙ゴミを確保し処分するというものであり、2020年の春よりJAXAと民間企業が連携し、新たな宇宙ゴミ回収人工衛星のプロジェクトが始動している。このプロジェクトで大切になってくるのは観測、把握、近接、回収、処分をしっかりと段階をわけ、尚且つテンポよく、協力しながら実施しなければならないことであり、その為には観測技術を今のレベルからさらに向上させ、そのデータを解析し尚且つ遠隔でゴミの回収、処分を行わなければならない。また、大気圏への再突入によりそのゴミを処分するが、そのゴミがしっかりと大気圏で燃え尽きるかも解析しなければならず、この問題がさらに宇宙ゴミを除去する大きな問題になっている。

 このように今現在で大きな問題が存在する宇宙ゴミ問題だが、最近では民間企業による宇宙開発も多く始動している。この事から、宇宙開発は大きな変革期と急発展を迎えると推察できるが、宇宙ゴミ問題を軽視した企業がさらなる大きな被害や問題を起こす可能性が大いにある。そのため、先ずは宇宙開発全体での取り決めを世界規模でしっかりと協議し、確実な法整備を行うべきだと考える。また、多くの民間企業がこの宇宙ゴミ問題を有益なビジネスとして捉えられるように、多くの情報開示と、メディアによる情報発信が大切である。


 参考文献

 ・JAXAホームページ 「スペースデブリ(宇宙ゴミ)対策とは」

 https://www.jaxa.jp/projects/debris/index_j.html

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