第10話 核兵器。中編

これは「第7話 核兵器。前編」の続きです。

まだ、前編を読んでないかたは是非前編をお読み下さい。



第一次世界対戦後すぐに戦勝国達がなんとなく予想していた第二次世界大戦が勃発した。

しかし、前の戦勝国の思っていた通りに事は進まなかった。敗戦国であるドイツが大躍進、しかも超最新兵器を戦線に投入してきたのである。

不自由で不便な生活を強いていた筈のドイツは、その不自由で不便の生活をひっくり返す利便性の追求を行い、兵器開発を推し進めた。

人類は一度味わった便利さを忘れられない。ドイツの国民は不自由に、不便に打ち勝とうと、どうにかしようと必死なったのだろう。

これは戦勝国には大きな打撃をあたえる。フランスが陥落、イギリスのロンドンにも空襲が迫った。

更には極東の、最近海軍だけ力をつけており目障りだった「欧米物真似国」(言い過ぎですね、すいません反省してます。)がいきなり超大国アメリカに宣戦布告、しかも真珠湾にてアメリカが空襲を受けてしまう。

連合国からしたら想定外である。

まさかドイツがフランス、イギリスを、日本がアメリカを。連合国はかなり焦ったのではないだろうか、しかしその焦りがもっと大量殺人の利便性向上を推し進めることになる。


日本は空母を使って戦艦などを沈めた、なら我々も空母を大量に生産し、艦載機(戦闘機の空母版)も大量生産すれば。相手は資源の乏しい小国、数で推せばすぐ降参するだろう。

ドイツはどうせソ連にも宣戦布告する。その時にまた攻めれば大国2国の圧力にはドイツも耐えられないだろう。

アメリカはそんな事を思う。

しかし、2つの国はそう簡単に降参しなかった。いや、むしろ最新兵器、大量殺人便利道具をどんどん生産し戦線に投入し始めたのである。

止められない大量殺人の利便性向上、これは連合国側も同じだった。

戦争はどんどん激化し、死傷者がどんどん増加した。当たり前だ、人を殺すのは簡単だから。撃てば人は死ぬ。落とせば大勢燃える。


その時、ドイツでは恐ろしい計画が進められていた。

それは「原子爆弾開発・製造計画」である。原子爆弾いわゆる原爆であるがその原理の説明は省かさせてもらう。(日本人ならだいたい知ってると思う。)

この原子爆弾(以下、原爆と省略)はこの当時の兵器の中では群を抜いて大量殺人の利便性は高く、後に「大量破壊兵器」とされるこの兵器だが、大量殺人利便性向上の到達点であるだろう。

そしてその計画を知った連合国も焦って開発を始める。

これを「マンハッタン計画」という。


その後は皆さんの知っての通りである。なかなか降伏しなかった(これはアメリカの原爆投下実行の言い訳であるが。)日本に。。。広島、長崎の順に原爆、いや大量殺人超便利道具を投下した。


世界初の原爆炸裂は約14万人もの人を殺した。(その後、被曝によって苦しんでいる人もいる。)


この大量殺人は戦争によって加速した兵器開発が起こした悲劇である。


利便性向上これは人類の起源から始まった。しかし、人類は何もかもを便利にしようとし過ぎたのだ。


その後、人類は原爆よりも威力の高い水素爆弾を開発する。しかし、これは大量殺人の利便性向上の為ではなかったのである。



科学者は罪を知った。


ロバート・オッペンハイマー



後編に続く。


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