第36話 結成!?「Y&J」
頬の傷が少しずつ小さくなり、絆創膏で覆えるほどになった頃だった。7月の始めに行われるジェニーズ舞台の練習で、俺は事務所のレッスン室で聖君と他10人程のJrと踊っていた。正面には、背の高い外国人が立って、全員に指導をしていた。彼はリーブス君といって、
「じゃあ、通しでやってみよう。まだ覚えられてないところはアドリブでいいよ。ではいきまーす」
sexy toneのダンスは、遅速のテンポ差が明確に表現される振り付けが特徴的だった。特に、ゆったりしたテンポの振り付けは独特で、首の動きや肩、腕、背中、足が波のようにうねる。ジェニーズのグループの中でも、ダンスを重視したジェットスターのアクロバットなダンスとは全然違った。全然違うのに、同じくらい意識を高く高く持つ必要があった。
練習が終わった後、俺は聖君からリーブス君の紹介を受けた。
「大丈夫だよ、唯我はいい奴だから」
「うん。そそそそんな気がする」
「ごめんな、唯我。リーブス君は内気で人見知りなんだよ。スイッチが入っちゃえば全然そんなことはないんだけどさ」
「よろしく、リーブス君」
「よ、よよよろしく」
リーブス君は手を震わせながら俺と握手をした。まるでJr嫌いの樹杏のように、リーブス君は聖君の後ろに隠れていた。おどおどしながらも話をよくしてくれる人で、笑うとアイドルオーラが花開いた。
「セクトのダンスはセクシーに踊れって、大島君がよく言うよ」
「大島君?」
「セクトのメンバー。ライブで一番セクシーなのは大島君だね」
「唯我、大島君のセクシーは刺激的だぞ?お前の反応、楽しみだな」
刺激的、セクシー。その単語だけでドキドキするお年頃である。俺は興味の1ミリも見せず「へえ」と返事したが、内心ドキドキしていた。どんな刺激的なセクシーがあるのだろうか。とりあえず、期待も興味も1ミリ以上はある。
聖君、リーブス君と別れた後、優里子に終わったことを知らせようとスマホを見ると、樹杏からのメッセージが届いていた。メッセージの内容を見ると、「【速報!!】」とあった。
『【速報!!】唯我!僕たち、CDデビューするんだって!!ユニット名は”Y&J”!!キャー!唯我、愛してる!!』
「……は?」
メッセージの樹杏のテンションに乗れない俺は、まるで現実味のない内容に上の空だった。
****
「唯我!久しぶりやなあ!」
「貴之。久しぶり。聖君は昨日ぶり」
「あはは。昨日も会ったな!」
それはスタジオの控え室の中だった。たくさんのジェニーズJrが、ケータリングや飲み物を口にしながらくつろいでいる。その中に、聖君と貴之がいた。二人はお揃いのワイシャツにリボンのタイ、ピタッとしたチェックのベストを着ている。二人はこの4月から結成された6人組のグループC少年として活動していた。
「二人とも、4月からは”C少年”のメンバーだよな。活動はどう?」
「団体行動がちょー大変!」
「せやせや!マイペース多すぎて、全然まとまらへん。でも楽しやってるわ」
「そっか」
話しているうちに、背中に誰かが抱き着いてきた。見ると、それは小ちゃくしている樹杏だった。俺と樹杏はお揃いのピカピカ王子服を着ている。俺が青で、樹杏が赤だ。それは4月の映画撮影の時の衣装だった。
「あ、Jだ!やほー」
「ホンマ珍動物みたいやなあ。TVで見るのとは全然違うねんな。俺のイメージでは、もっとこう、胸張って堂々としてるんかと思とったんやけどなあ」
「あー!わかるわかる!Jはそういうイメージだよな!」
聖君と貴之が笑いながら話しているのを、樹杏は嫌そうな顔をして、俺の肩の後ろから覗き込むように睨んでいた。
「こいつ、Jrにだけこうなんだよ。あ、でも智樹ん時はそうでもなかったな」
「あれ?そういえば智樹のD2-Jrは今日いないんだ」
「営業で踊ってるらしいで。終わり次第来るって話や」
「そっか。会いたかったな」
「僕、あの智樹って奴嫌い。ねえ、唯我!ちょっと来て!」
樹杏が強引に腕を引っ張っていくので、俺は久々に会った二人とまともに会話もできずに控室を出た。
「何だよ、樹杏」
「僕以外と話しちゃ嫌なの!」
「何だそれ。ワガママなガキか」
「それより!メッセージで送ったろ。CDデビューだよ!」
「ああ、それな。よくよく聞いたら、ユニットでの公式デビューじゃないらしいじゃんか。今回の映画の劇中歌として、サントラに入るって話だろ?」
「それでもだよ!僕はチャンスだと思うんだ!!」
「チャンス?」
「だってそうだろ?僕たちは俳優である前にジェニーズのアイドルだよ?いつかは誰かとグループ組んで、公式にデビューするんだろうと思うよ。だけどね、僕は唯我以外の人とは組む気ないの」
「は?そんなお前のワガママ通るかよ」
「だから、今回のCDはチャンスなんだよ!映画公開中の期間限定ユニットだけど、これをきっかけに、Jには唯我が必要で、唯我にはJが必要だって、皆に見せつけてやるんだ!」
「樹杏、お前の気持ちは嬉しいけどさ」
「だから一緒に頑張りたいって言ってんの!たった9月までのユニットだけど、伝説になりたいのさ!それに考えてごらんよ。これでいろいろな人が僕たちのことを知ってくれて、必要としてくれたら、僕は幸せだよ!アイドルなんだよ?歌って踊れてなんぼでしょ!」
「それは確かにそうだけど……」
「僕じゃ役不足っての?この天下子役、樹杏様では不服なの?この大使の一人息子じゃダメかい?」
「ぶっ!やめろ息子キャラ。違げえよ。お前のためだよ」
「僕?」
「俺よりずっと、お前と釣り合う奴がJrの中には何人もいる。そいつらと組んだ方が、お前のためだろ」
「……勘違いしないでよね。それは優しさじゃないもん」
「樹杏、だから」
「僕は唯我がいいんだもん!」
樹杏は頬をリスみたいに膨らませた。こうなったら言葉の通じない奴だということはよく知っている。これを許せば、樹杏が甘えてくることも知っている。それでも、樹杏の言う「歌って踊れてなんぼ」ということには一理あった。
その時、放送が流れた。
『これより、映画公式パンフレットの撮影を行います。皆様、スタジオB4へお越しください』
テンションの上がったJrたちは、控室で声を上げ拍手した。その音が俺たちのいる廊下にまで聞こえてきた。
「わかった。9月までだろうが、やるからには本気だ」
「そうこなくっちゃ!」
「でも、活動っていう活動ないだろ?」
「あるさ!再来週の映画完成試写会の後は、6月下旬の公開初日試写会に、7月の満員御礼試写会。それからCD発売会。他にもさ、CMとかとか!」
「そこでどう本気を見せる?」
「何か二人じゃないとできないことをしよう!お互い忙しいけどさ、時間つくって打ち合わせだ!」
「わかった」
「ぷぷ。僕ね、一つやりたいことがあるんだ。フフフフ、考えるだけで楽しくなっちゃう」
「変なことじゃないだろうな」
「いやあん!唯我のエッチ!」
「意味わかんねえ」
****
スタジオには、それぞれのグループを撮影するための道具が壁沿いに並べられている。集まったJrたちがライトを浴びてポーズを決めた。視線をカメラに向けるとバシャバシャとシャッター音がする。影の中をせわしなく動く多くのスタッフたちは、俺たちよりずっと大人の人ばかりだ。
撮影が終わったC少年たちは元気よく「ありがとうございました」と挨拶した。ワイワイと6人の男たちが俺と樹杏の横を通り過ぎていく。その中に聖君と貴之がいた。二人は俺に手を上げた。
「次は唯我とJの撮影やな!」
「唯我、スマイル!」
「行ってくる」
二人とハイタッチしてスタジオに入ると、パチパチと拍手が鳴った。
「Y&Jのお二人です!」
俺と樹杏は「よろしくお願いします」と頭を下げながら、まっすぐカメラの前へと進んだ。
「よお!唯我、J!」
「ちづさああんっ!!」
名前を呼んだのはカメラの前でセッティングの指示を出していた千鶴さんだった。千鶴さんは、いつものピッカピカのスーツ姿ではなく、まるで運動でもするかのようなパーカーに細身のジャージを着ていた。とても新鮮だった。
樹杏は千鶴さんを見つけるとダッシュして、そのまま抱きついた。俺は後ろからてくてくと歩いて近づいた。
「準備は大丈夫そうだな、唯我」
「はい」
「今日は所澤さんに撮ってもらうんだ」
「所澤…さん?」
「え!?所澤さんが撮ってくれんの!?嬉しい!!」
樹杏は周りをキョロキョロした。俺は「所澤さん」という人を知らない。
「はい、準備できましたよ。お二人とも、セットへお上がりください」
太くてぼそぼそとした男の人の声が聞こえた。大きなカメラを首から下げて、手をひらひらと振るおじさんに向かって、樹杏が「所澤さん!」と叫んだ。その人は天然パーマの短髪に、黒縁の眼鏡をしていた。あの人が「所澤さん」か。
「唯我、今日はカッコよく撮ってもらおうぜ」
「はい」
千鶴さんは体に張り付いて「いやいや」と駄々をこねる樹杏を強引にはがすと、スタッフさんたちに「Y&J、お願いします」と声をかけた。
「やったよ、唯我!所澤さんが撮ってくれるんだって!ちょー嬉しいんだけど!」
「所澤さんって誰?有名な人?」
「はあ?唯我、知らないの?」
「何を」
「フリーカメラマンの所澤さんの写真には、ジェニーズの中では有名なジンクスがあるんだ」
「どんな?」
「初ステージを撮ってもらった人は売れる。たくさん、撮ってもらえた分だけ売れる!そういうジンクス。だから所澤さんに撮ってほしいって奴がいっぱいいるんだよ!僕もその一人!」
「初ステージ?」
俺は少し引っかかった。俺は多分、「初ステージ」の写真を撮ってもらったことがある。……誰に撮ってもらったんだっけ。そんなことを考えている間に樹杏が一人でスタジオの光の中へと進んで行った。
「いよおおしっ!Y&J、幸先ちょーいいじゃん!!よろしくお願いしまーす!!」
映画パンフレットの撮影では、映画のイメージを崩さないために同じ衣装、セットの一部を使った。俺と樹杏は、白い床の上で足を反対の方向に向けて仰向けで寝そべり、顔を近づけていた。耳と耳が互いの熱を感じられるほど近くて、樹杏のくるりとした赤い襟足の毛が額を撫でるとくすぐったかった。
「唯我君、もう少し顔を右に倒して。樹杏君に頬を近づけて。あご引いて。そう」
「唯我、近いけど大丈夫?」
すぐそばで反対になって見える樹杏がニヤニヤしているのにムカつきながらも、俺はすました表情を崩さなかった。
「大丈夫……」
んなわけない!横を向いた瞬間、樹杏と鼻先がぶつかりそうになる。近い!心臓が火を噴きそうなほど動いている!しかし、絶対表には出さない!映画撮影の時のように、千鶴さんに怒鳴られるのはごめんだ。
「目線こっちに下さい。……いい感じ!ありがとう二人とも!ほしい画は撮れたよ、千鶴君」
「二人とも!リラックスしていいよ。何か喋ってろ」
大人たちは撮影された写真のチェックのためにモニターの前に集まった。樹杏は起き上がり、「はあい!」と大きな声で返事をすると、指示の通り、俺に振り返った。
「何か喋ろっか!唯我」
「え、何かって?」
「何かだよ!何でもいいの!最近、優里子ちゃんとはどう?」
「お、お前に答える筋合いはない」
「まあだ怒ってる!あれだろう?キスだろう?唯我もすればいいじゃん!」
「んなっ!!!」
「カジュアルにさ!チュッって」
「適当ばっか言いやがって!」
逃げる樹杏を追いかけ掴みかかっていると、気配を消してフラフラと近づいてきた所澤さんが、写真を撮っていた。俺は樹杏の軽いノリの口調で優里子のことを話すのが気に入らないし、「何か喋ってろ」と言われても、ニヤニヤしながらカメラを構える所澤さんが気になって集中できない。
「所澤さん!唯我ねえ、好きな人いるんだよ!」
「バッカ!樹杏、お前っ!!」
「へえ。青春だねえ。樹杏君はいないの?」
「聞いて聞いて!僕、Jr嫌いで有名だけど、唯我のことは大好き!!」
樹杏が抱き着いてくると、俺は体勢を崩した。その瞬間、無言の所澤さんはパシャシャシャシャとカメラを鳴らした。
「近いんだよ!離れろ!!」
「嫌よお。私を捕まえていてね、唯我あ!」
「キモい声を出すな!!とっ!撮らないで下さい!!」
「いえいえ。どうぞお気になさらず」
所澤さんはニヤニヤしながら連写し続けた。
****
その日の撮影が終わり、俺と樹杏は事務所へ向かった。そこで、キャリアウーマンから今後の「Y&J」の活動予定を聞かされた。
「再来週の水曜日には完成披露試写会、映画の公開は6月の最後の金曜日なので、その日の夕方には映画初日試写会を行います。7月にはサントラCD販売会への参加もしていただきます。Y&Jの活動は、予告通り9月までです」
「ああ、寂しいなあ。もう永遠に唯我とだけやってたいよ、ネコちゃん」
「ちなみに、今年のJr祭EASTで、Y&Jのパフォーマンスを組み入れようと思います」
「わー!やったー!!」
「え?でも、樹杏がJr祭りに参加するのはまずいんじゃあ」
「ですから、樹杏君はゲストとして一日だけお招きします。予定を開けていただくよう、マネージャーにもお伝えしてありますので、お忘れないよう」
「はーい。ねえ、唯我!Y&Jの決めポーズとか作ろうよ!僕ね、こんなのがいいと思うんだ!せーのっ、Y&」
「話は以上です。本日はお疲れさまでした」
「えー?ネコちゃん、最後まで見てくれてもよくない?」
「よくありません」
樹杏と一緒に俺まで事務室からポイっと投げ出されてた。樹杏のせいで怒られたような気持ちになった。樹杏と目を合わせると、樹杏は「へへへ」と笑った。
「何がへへへだっ」
ポコッと殴ると、樹杏は「あいてっ」とまた笑った。
****
施設に帰り、俺は机に置いていた卓上カレンダーにY&Jの活動をメモした。5月のように平日に学校を休まなくてもいいものの、土日はほとんど仕事だ。平日の午後は事務所でsexy toneのジェニーズ舞台の練習、同時にジェットスターのライブの練習が続く予定になっている。俺はカレンダーとにらめっこした。どうしよう。どうしよう!
「どうしたの?」
当たり前のごとく、俺のベッドで横になる英が言った。
「お前には関係ねえ」
「ふうん。どうせエロいこと考えてるんだろ。女とか、女とか」
「うるせえな。仕事のこと考えてるんだよ!」
「まあ、唯我より泰一の方がエロいか。つまんないから帰ろ」
英は施設での生活に慣れたようで、ますます生意気になっていく。いや、調子に乗ってきているんだ。少しムカついたものの、英の言うことの半分くらいは当たっていた。
俺は必死に考えていた。いつ、優里子をデートに誘えるだろうか。しかし、その時カレンダーの中にある空白が一か所だけ目についた。ここしかない!
****
習慣となった朝練では、いつものように居間の一面鏡で動きを確認しながら踊った。今日は朝から雨が降っている。梅雨が本格化し、居間はじめじめとしていた。足元が少し湿っていて、シューズの音がキュッキュッとよく鳴り、曲と重なった。
ふうっと一息つき、あごの汗をTシャツの袖で拭った。俺は今日、優里子に会ったら改めてデートの約束をするつもりだ。優里子とのデートについて考えただけでドキドキして、ワクワクして、やる気が出た。もう一度息を吸い込み、曲を流した。
俺の周りには音がたくさんあった。だから、優里子が居間を覗きに来て「唯我」と声をかけていたことにも気づかなかった。優里子は居間に一歩入ると、俺の踊る姿をしばらく見ていた。
甘い歌詞のバラードが流れる中、俺は体を大きく振ってテンポよくステップを踏んでいた。手の先で音を拾うように、下に向ける目の瞬きが甘い言葉を口ずさむように動いている。それは優里子の知る俺とは違う人のように見えた。
「響け……君の、心に……。マイハート」
それはsexy toneの曲のフレーズだった。視線は少し下で、あごを引く。ターンして一歩前に出る。その足をゆっくり戻しながら手を下から胸まで上げて正面に伸ばす。視線は手の先へ。リーブス君はこう言った。
「その視線の先で、最初に目の合った人に呟く。……”ラブユー”」
俺は「ラ」と口にした瞬間、そこに優里子がいることに気づいた。俺は優里子と目が合った瞬間に体がカチコチに固まった。
「あ、ごめん。すっごい集中してたから、声かけるタイミングなくて……」
うわあ!歌、口ずさんでたの聞かれた!すげえ恥ずかしい!しかも、「ラブユー」なんて優里子に向かって言いそうになった!!
俺は足先から頭まで一気に熱くなった。
「なっ……、何?」
「朝ごはん、できたよ」
「え?もうそんな時間か!」
時計は7時になろうとしていた。俺は緊張と焦りと恥ずかしさでいっぱいだった。荷物をまとめて居間を出ようとした。ドアの横で優里子とすれ違う時、俺はピタッと立ち止まった。
「ゆ、優里子……」
「何?」
「さ、再来週の土曜日、……空いてる?予定」
「うん。空いてるよ」
「じゃあその日空けといて!!」
「え?」
俺はそれ以上の言葉が出てこなかった。緊張して、優里子に向けた目が離れくなった。
「わかった。え?……あ、もしかして前に言ってたデートの予定ね?何かと思えば!そう言ってくれればすぐわかったのに」
呆れたように微笑んだ優里子の口が開いた瞬間、俺は部屋にダッシュした。速攻で制服に着替え、もう一度居間に来ると、俺は優里子に人差し指を向け、まるで決闘を申し込む勢いで言い放った。顔は真っ赤だった。
「じっ、じゃあ約束したからな!その日は絶対!空けとけよ!わっ!わかったな!?」
「う、うん」
その返事も聞かずに俺は食堂へダッシュした。恥ずかしくてたまらなかった。優里子のことなんて見る余裕ないし、返事なんて聞いてられない!細かいことは後ででいい!俺は速攻で朝ごはんを済ませて玄関を出た。
「行ってきます!!」
「唯我、気をつけてね!」
優里子の声が耳をくすぐる。心臓は猛ダッシュした後のようにバクバク鳴っていた。足元はバシャンと水たまりをける音がする。雨のはじける音が傘の向こうから聞こえてくるのに、俺は傘を頭の上でさしていないのでずぶ濡れだった。そんなことはどうでもいい!俺は再来週の土曜日に、優里子とデートする!
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