第27話

 ときわ台の教会で行ったものと違って、今回の礼拝では二人しかおらず、それに場所も夜のアパートの一室である。声を張るわけにもいかず、二人してひっそりとボソボソ呟く程度に終わった。中津川と横に並んでお経を読んでいたために、以前は見られたものも見られない。端的に言って暇以外の何物でもなかった。

「――」

 それにしても、加藤たちもそうだったが、信者というものはここまで真剣に礼拝をするものなのかと、僕はこれまでの礼拝を通して(とはいっても二回しか体験してこなかったのだが)つくづく思わされた。中津川も加藤と同様、額を地面にこすりつけんばかりに頭を下げ、目をつむり、一心にお経を唱えている。いったい何が彼らをここまで動かすのか、彼らをここまで突き動かすものの正体とは何なのか。

「それを教えるために、私は君をここまで連れてきたんだよ」

 礼拝を終えて、真っ先に彼女は僕を見てそう言った。

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