その4

その日からおねーちゃんを探すようになった。


パパとママにゆーれいが見えることはだれにも知られちゃいけないって言われたからこっそりと。


かくれるのは上手だからだいじょーぶ。



遊び場のちかくにまたおねーちゃんを見つけた。


また声をかけた。



「おねーちゃん!なんであのとき逃げたの?」


またびくぅっ!!と肩をゆらした。


「私に話しかけないでってば!!」


また逃げちゃった。



人見知りなのかな?でもなかよくしたいなぁ。


めげないぞ!お友達になるもん!



それからずっと皆のいないところでおねーちゃんを見つけては話しかけた。


いつも逃げられちゃうけど、がんばって追いかけたときもあった。



なんでいつも「私に話しかけないで」しか言わないのかな?



そう考えてたとき、またおねーちゃんを見つけた。


「おねーちゃんみっけ!」


走っていった。


けどなにかが違うことに気付いた。



おねーちゃんの他にもう一人いる。


よれよれの服を着たおじさんだ。


なんか、黒いオーラ?が見えるけど、その人とおねーちゃんお友達なのかな?


ずるい!私もお友達になりたい!



「おねーちゃん!」


力いっぱい走った。


あれ?でも、おねーちゃんがものすごく焦った顔をしてる。なんでだろ?


「来ちゃ駄目!!」


おねーちゃんが叫ぶ。


話しかけないで!以外の言葉を初めて聞いた。



おねーちゃんの近くにいたおじさんの黒いオーラがぶわーーーっ!と広がった。


おねーちゃんのすぐ後ろまで来た私の首をおじさんがすっごく強い力で締め付けた。


息ができない。くるしい。



「もう!だから話しかけないでって言ったのに!」


ぎゅうっと目をつぶってたから何が起こったのか知らないけど、いつの間にか私の首を締め付けてたおじさんはいなくなってた。



すっごく怖かった。死んじゃうかと思った。

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