その5

おねーちゃんが「私に話しかけないで!」って言ってたのは私を守るためらしい。


よく分からないけど、悪いゆーれいに見えてることを知られるのはよくないんだって。


悪いゆーれいもいるんだ。知らなかった。



これからは気をつけよう。



「おねーちゃんは悪いゆーれいじゃないよねっ!」


「いいも悪いも関係ない。死んだ人に会ったら関わらないこと!殺されるわよ。さっきみたいに」



おねーちゃんはとっても心配してくれてるけど、おねーちゃんは大丈夫!


私を守ろうとしてくれたんだもん。優しいゆーれいなんだよ!



「おねーちゃんともっとお話したい!」


「幼稚園のお友達とお喋りすればいい。私に、私達幽霊に関わらないで」


「やだっ!!!」


「声大きい!誰かに聞かれたら……」


「おねーちゃんとお友達になりたいもん!ゆーれいだからなかよくしちゃダメなんて決まりはないもん!おねーちゃんは私とお喋りしたくないの?」



少しだけ泣きそうになった。


おねーちゃん、私と話したくないから遠ざけるのかな?私のことキライ?



「そうじゃなくて……っもう!わかったよ、お友達になってあげる!」


「やったー!」



ゆーれいのお友達、ゲットだぜ!



「だけど、ここではお喋り禁止。ちゃんと幼稚園のお友達と遊びなさい」


「えーっ!?」


「その代わり、あなたのお家で沢山お喋りしましょ」


「わーい!」



おねーちゃんが私の家に住むことになった。


パパもママもびっくりするかな?あ、ママは見えないんだった。



その日の夜、仕事から帰ったパパがおねーちゃんを見てびっくりしてた。お友達だよって紹介したらもっとびっくりしてた。



そりゃびっくりするよね。帰って来たらいきなり見知らぬ若いお姉さんがいたら。


しかも下半身なくてちょっと血塗れだし。



「お前、強いなぁ……まだ6才にもなってないのに」


「??」


「普通卒倒するだろ」



なんで倒れるの?


わからない。



おねーちゃんは複雑そうに笑ってた。

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