第7話 水槽の中

 ダイオウグソクムシが腹の上を歩いている。透明に近い白色のその身体が、私の上で蠢いている。彼の足がひっかかり、皮膚が裂ける。


 この海底の腐肉食の掃除屋は、腹を空かせているのだろうか?


 私は薄暗い水槽の中に沈んでいる。二人きりの世界に、永遠に沈んでいる。

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