第5話 3日目

今日も8時に起こされ、検査を受けた。

祖母は10じから12時まで検査と言うことを看護婦から聞いていたので

それまで暇を潰すことにした。

部屋にあるテレビをつける。


クローンバグ

クローンバグとは

母体との接触により

クローンの脳にバグが生じ

殺人や強盗など善悪を判断する

能力が著しく低下する

そのためクローンバグが生じた場合

10日ほどで処分することが義務づけられている…


惹かれない内容だそんなことを思いながら

僕はテレビのチャンネルを変えた。

見たい番組もないため、ニュースを流したまま

僕は看護師さんに借りた本を読み始めた。


そしてその時間になる。

僕は祖母の部屋へ向かう

コンコン

僕は扉をたたく

返事はない

耳が悪いのだろうそう思いながら

「失礼しまーす」

「いらっしゃい  元気にしてた 。」

祖母は元気そうに僕に優しくほほえみかけた。

それからいろいろなことを話した。

僕が入院していることや容体家庭でのことなど、たくさん話した。

3日間まともに話していなかったのでとても楽しく感じた。

(実際に楽しかったのかもしれないが)

その後も日が沈むまで話し続けた。

祖母も楽しそうだった。


今日みたいな日がもう少し続けば良いのに…

そう思いながら部屋へ戻ろうとする

「部屋はどこだ?」

気付いたときには声に出していた。

いつもとは違う棟、環境

人と話せる喜びからか

浮かれすぎていたらしい

僕の声を聞いて看護師さんがかけよる。

「どうかしたの?」

「いや、部屋の番号確認するの忘れちゃってて」

「そう。君はc棟の24号室よ。」

「ありがとうございます。」

「いいえ、もう忘れないようにね。」

「はい…すみません」

そう言って僕はエレベーターの横にある地図を見た。

この病院は、a棟~c棟で、

順に重い症状をもつ患者が入院、診察を受けるようになっているらしい。

祖母はb棟に入院している。

残り寿命数日の僕に比べたら、祖母の容体は軽い方であった。

僕は、なんとか部屋へ戻ることができた。

今日はとても楽しい一日だった。

そう思いながらやることを済まして

寝ることにした。

明日は検診だ。






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