第6話三日目

ふと目を覚まし、時計を見る。

13時38分

「うわっもうこんな時間」

僕は飛び起きた。

「何をそんなに急いでるの、静かにしないとお父さん起きちゃうでしょ。」

そう言って母は父の眠る部屋を指さした。

夜勤明けらしい。僕は少し静かにこういった。

「今日は明日のばあちゃんの見舞い品と、

小さくなった水着買いに行かなきゃ行けないの。」

「そう、気をつけてね。」

「言っておけばよかった。」

しかし、昨日の朝のことを思い出して諦めた。

急いで支度をし、

なんとか14時ちょうどに家を出ることに成功した。

自転車で30分ほどにあるデパートに着いた。

どこもかしこも夏フェアという

広告で埋め尽くされている。

夏物の服や水着、おもちゃなどが

たくさん売られていた。

そう今は夏、真夏に自転車を30分もこぎ続けていた僕は、

汗でべとべとになっていた。

とりあえず僕は自販機へ向かった。

ゲームセンターの前を通ろうとすると、

「珍しいなこんなとこにいるなんて」

「そんなにおどろくなって」

「いや驚くっていつもテスト一位のやつが、」

「用事だよ、じゃあな。」

「おう、じゃあな。」

声をかけてきたのは同じクラスの友達だった。

彼がゲームセンターに入り浸っているのは聞いていた。

上手く逃げ切れてよかった。

乾ききったのどを潤した僕は、

水着を買いに行った。

水着売り場へ行くと、

今年のトレンドから去年の売れ残りまで、

たくさんの水着が売られていた。

僕は今年の一番不人気の水着に決めた。

次は祖母の見舞い品だ。

母に花瓶が良いと言われていたので、

花瓶を買うことは決定していた。

また、その花瓶でかざる造花を買うことも決定していた。

祖母には長生きして欲しい

そういう意味を込めた造花を選ぶことにした。

今日はとても忙しかったそう思いながら

また、30分ほど自転車をこいだ。

父は夜勤で僕が家に着く前に仕事に行ってしまったらしい。

明日も会えないだろうから見舞い品を見せたかった。

そんなことを思いながら、用を済ませ眠りについた。

明日は祖母の見舞いだ。





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