バラの香りをあなたに

買ってきたバラを飾る時に

蕾だったりあんまり開いてなかったりすると

そのまま開かずに枯れてしまったりします。

飾る前に水揚げするといいですよ。

まず、棘取りで棘をとって

水の中で斜めに茎を切ります。

その後、バラの場合は湯揚げをしたりします。

何本かまとめてゴムで縛り

沸騰したお湯に茎を切り口から5cmくらいまで着けます。

その後、新聞などでくるんで

バケツにたっぷり水をはって浸けておきます。

一晩浸けておくと、うまくいけば蕾が開いていたりします。

それでも上手くいかないときは

切り口を焼いたりします。

ガスコンロの火で、黒くなるまで焼きます。

その後の手順は一緒です。


バラって、育てる時も飾るときも

手入れが大変です。

一度だけバラを育てたことがあるのですが

やっぱり失敗しました…。

ハードルが高いので避けていたのですが

ミニバラがあんまり可愛かったので

つい買ってしまい…

土は手作り、剪定も調べて頑張りました。

大きな蕾がついて、いよいよ!ってときに

虫がつきました…。

無農薬だったので仕方ない。

庭で子供が遊ぶので、農薬は使いたくなかった。

キレイに咲かせてあげれなくて残念でしたが

一度だけ嬉しいことがありました。


認知症の祖母が遊びに来たときのこと。

もう、何度も同じ話をするし

私のこともあんまり分かっていなかったり

認知症がだいぶ進んでいました。

話していても妄想が入ります。

なぜか息子がオリンピック選手になってたり。

おばあちゃん、盛りが過ぎます(笑)

そんな祖母が、まだ咲く前の私のバラを誉めてくれました。


「これはしっかり手入れされてる。

キレイだね、葉が艶々してる。元気な証拠だよ」


祖母は花が好きで、昔は自分でも育てていました。

なんだか昔の祖母に戻ったみたいな気がして

花が好きな人に誉めてもらえて嬉しかった。


祖母は

もう、私のことは全く分からなくなったけど

他に悪いところもなく、元気に過ごしております。

「私のこと解る?」と聞くと

「えへへ…」と笑ってごまかします。

忘れてしまう自分への悲しさと

私に対する申し訳なさとか、悲しませたくないとか

忘れてしまうけど、そういう感情は

もちろんあるんですよね。

だから聞かないことにしました。

きっと、祖母のほうが悲しいはずだから。

祖母のことを知っていて

楽しくおしゃべりする人としてまた会いに行きます。

バラ買っていこう。



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