巻き戻る時間
第1話 Dream 〜悪い現実〜
俺は何日も寝たかのような気がして、目を覚ますと、何故か秋葉原の駅にいた。不思議に思った俺は余計に考えさせられた。
「これは……まさか…………!?」
違和感を覚えた俺は目を疑う。どうして戻ったのか、どのような原理で戻ったのか不思議でたまらなかった。
「あら、お目覚め? 今はどんな気分?」
隣には
「朱鷺、お前……俺に何かした?」
まさかと思い聞いてみたが回答は意外だった。
「私の仕業だと思ってるのかしら? 疑うなら勝手に疑えばいいわ」
そう言ってその場を立ち去っていく。俺はただただ去る姿しか見ることができないのだ。そして俺に襲ってきた少女が見え、直ぐ様駆け寄って行った。また氷柱を投げてきて当たりそうなのを避けて、目の前に行き両手を
「お前の仕業か? 応えろ!!」
いきなり大声を出して脅す。周りの人は驚いて、ザワザワとし、また涙目になる彼女。俺にはそんなのが通じるわけでもないし、なんで戻ったのか知りたいだけ。だけど泣く顔はやっぱり
「ち、違う……私じゃない……」
疑問に思った俺がいる。それは彼女にも記憶があることだ。
「ほんとだな? 嘘をつくと骨を折ることになるぞ」
「痛い痛い痛い!!」
信じることができないために手荒な真似しかできないが、本当の俺は優しい。俺は実際に折ろうとするが、折らないで緩める。手首を持ち上げる。
「こっち来い!!」
「止めて!! 離して!!」
未だこの状況がわからないために、手首を引っ張り、改札口を出て、そのままどこかに連れていこうとするが、彼女は必死で抵抗する。そして、嫌なことに俺は交番の目の前を通る。
「ちょっと、君」
「はい、何でしょう」
警察官が交番から出てきて、俺に声を掛ける。『
「その子が嫌がってるでしょ? それにしても可愛いね。娘さん?」
この言葉を聞いた俺は驚きに驚いて、少しだけ顔が熱くなるのを感じる。照れてる中、震える声でこう言う。
「そ、そんな感じかな? ありがとうございます」
交番を離れようと彼女を引っ張り、ダッシュで後にするが、警察官が何かを言いチャリに乗って追いかけてくる。
皆は俺のことを危険人物ような目付きで避ける者もいれば、暴言を吐いたりしている者もいる。更には写真を撮ったり、誰かに電話している人もいるが俺には関係なかった。
「離して!! 私じゃないの!!」
「少しは黙れ!!」
必死に抵抗する彼女がウザく、きつい言葉を言ったあとに、顔面を殴ってしまう。怒りで痛みは少ししかなく、赤くなって
抵抗しなければこうなるはずがなかったのに、でもしかたがなかったからだ。パトカーのサイレンが聞こえ、ヤバいと思った俺は人気のない所に身を隠して去るのを待つ。そして警察が来て、細い路地を見るためにパトカーから降りてこっちに向かってくる。
(来るな……こっちに来るな……)
足音が近づいていくにつれて、焦るのを感じて彼女の口を塞いで祈るばかりだった。足音がすぐそこだと感じ、俺は奥へ奥へと足音を立てずに急いで逃走を試みた。が、彼女は漏らしてしまい、滴る音が鳴り響き、いるということがバレて声を掛けられる。
「そこにいるのはわかっている。素直に返事を返せば手荒な真似はしない」
俺は声が近いことに、吃驚して足を立てないと思ったのに、誤って足音を立てて走ってしまった。急いで右に曲がろうとした時、大きな音が鳴り響き、脚に激痛が走る。まともに走れない俺は必死でジグザグに曲がるが、警察が後を追ってくる。
「チッ、痛すぎる……使いたくはないが使うか……水圧推進!!」
少ない水が俺と彼女を空に持ち上げて、家の屋根へと避難して身を潜め、また彼女の口を塞ぐ。同時に脚を見ると穴が空き、血も出ていた。どうしようもなく訳が分からなくなってしまった。
「犯人を逃した。まだそう遠くまで行ってないはずだ。捜せ!!」
ここまで来れば警察は追えないだろう』そう思って、俺は落ち着きを取り戻し、息を殺して水の分身を作り、どうしているのか偵察として任せる。視点は自由に変えられるのだ。視点を水の分身に切り替えて何しているのか見た時、驚くべき光景を見てしまった。
なんと、カメラを取り出し水で湿った道路を写真に収め、血痕を採取した後、その場を去っていくが、曲がり角でこちらを見る。水溜まりのように変形して去るのを待った。ニヤケているようにも見え、そのまま消えてしまった。
「これもまたお前のせいだ!! また死んでもらおう……」
死ぬ前は彼女の能力の氷柱で刺し殺したが、今回はこれを用意した。パトカーのサイレンの音が遠くなることを確認した後、持っていた手荷物から紐を出し、手足を解けないようにきつく縛っていき、また手荷物から変なものを出す。カッターの刃を出して、手を外して彼女の悲鳴がどこまでも聞こえるような声で泣き叫ぶが、俺には効かない。
「私に何する気なの? また殺すの? 殺されるのは嫌よ!!」
「お前を拘束して、
俺は手首を刃を置いて力強く押し、勢いをつけて引いた。ぱっくりと皮膚も血管も切れて、どす黒い血が彼女の手首から出てきた。彼女は痛みで泣き叫び、助けを求めているかのようにも聞こえるが、俺にこう言う。
「痛い痛い痛い!! やめて、痛いのは嫌なの!!」
彼女はそう言ったが、俺は怒りで不満が多く、痛め付けて答えさせる他何も無い為、手荒な真似しかできない……。わからないならわかるまで痛め付けるのが俺としての役目だ。
「吐け。吐いたらこの拷問は終わるぞ」
「痛いのは嫌ァ……誰か…助けて……」
俺は彼女の願いは効きたいが、今はそんなことをしている暇はない。早く白黒つけたいからだ。またカッターの刃を手首に抑えようとしたが、抵抗して踠き始める。意地でも抵抗しないように固定をして、また乗っけるが、必死に抵抗をするががっちりと固められているため、動けない。
「お仕置きだ。痛くはないぞ」
「もう……嫌ァ……」
前の二、三倍って力強く押さえつけて、ゆっくりと引いた後に思いっきり引く。二倍くらい深くなって、筋肉や健を切ってしまった。彼女は激痛で大声で泣き叫ぶ。
「いだいいだい!! もうやめて……」
「吐くか? 吐くなら一度止めて聞く」
涙でぐしゃぐしゃになった顔はとても可哀想に俺は思った。だけど、やっぱり──
「言うから……やめて……」
彼女の声が掠れて、よく聞き取れないから。
「ハッキリした声で言ってくれる?」
彼女の手の甲をカッターの刃で深く刺して
「言うがらやめで!!」
はっきりと聞こえたから、『やっと話す気になったか』と思って俺は抉り回すのをやめて、話を聞くことにする。
彼女は震えて物凄く怯えているようにも見えていた。俺はこう言う。
「この異変はお前の仕業か? 今のうちに言えば許してやってもいいぞ」
「ほ、ほんとに私じゃない!! 私は何もしてない!! お願いだから信じて!!」
「俺の唯一の妹の仕業ではないとわかっている。もし、朱鷺だった場合は説教しないといけない。それも踏まえてだ」
俺の唯一の子供である、朱鷺の名前を出して、説明した。今は落ち着いてるのかわからないけど、とても冷静になっていた。彼女は怖がって早く終わってくれないかなという表情で見ているため、どうすることもできないが──
「でも、誰の仕業か知ってる……それを言ったら傷付けたりしないで……。お願いだから……」
意外なことに、彼女が正直に話す気になったことに驚いて、正直俺は目を疑った。早速聞くのとにする。
「この
「これを起こしたのは……」
「誰だ?」
「…………」
俺が言ったあとに、黙り込んでしまっている。どうやらとても言い辛そうにしているようにも見え、暫く待つことにした。
「やっぱり、言えません……」
「やはりそうか……。言いにくいか……なら、これならどうかな?」
俺は言えないという言葉を聞いて、喋らすために彼女の腹を蹴った。とても鈍い音を立てて深く入り込んだ。とても変な感触だった。
「カハッ……」
彼女はその衝撃に耐えられず、呼吸も一瞬止まって、転がってぐったりする。咳き込みながら。
「ゲホッ!! ゴホッ!! ガホッ!! はぁ……はぁ……」
俺は『やっちまった』と思ったがやはり、関係ない。本当の内心は
「痛い……苦…………しい……コホッ……」
彼女は血を吐いて、その言葉を聞いて、少しだけ焦るのを俺は感じて、どうすればいいのか訳わからなくなってしまった。誰かがいれば助かる可能性が高いのだった。俺は『何をやってんだ!!』と言って、自信を責める。
「はぁ……はぁ…………言う……から……ケフッ……」
俺はもう人間ではないような気になってしまったが、正気を保つのもやっとのこと。とても興奮していて、身体中が暑いのを感じてるのも確かだ。「助けて……」か……。俺はそれに応えられなかった。
「なんだ……? 言う気になったのか……」
「はぁ……はぁ……はい……ゲホッ!!」
俺はやっと聞く気になった。俺は俺自身の本当の正体が怖くて、考えたくもない。更には小さい子を傷付け、手首を切ったり、血を吐かせたりした。俺は一体何者なんだ。誰なんだ。
「この現象を…………起こしたのは……誰か本当に……わから…………ない……」
「そうか、わかった。最後に頼みごとがある……」
「…………はい……」
俺は気が変わって、かなり言い辛いことがある。それは彼女の腕を折ることだ。こうすれば俺はこの子を抱えて、病院に行く最中に倒れて、気を失い、病院で目を覚めるという計画。
俺はそれを実行する。
「腕を折って……いいね……?」
「えっ……」
こうなるのはわかっていた。だけど実行しないと俺の気は晴れず、ずっと背負うままになってしまう。そんなのはゴメンだ。
「いきなりですまない。折ると同時に俺の腹を氷の力で貫いてくれるとありがたい……」
「何を…………言ってるん……ですか……」
「こうしないと俺の気が晴れないからかな? 合図を送るから送ったらやってくれ……頼んだ」
「はい、わかりま…………した……やってみる……」
深呼吸をして一度落ち着いてから実行することにしたのだ。そうしないと息が合わないはずだと思ったからだ。そして息が整って、落ち着きを取り戻した。
「準備はいいね? 一度きりのチャンスだ」
「はい…………できて……ます……」
「フンッ!!」
骨が折れて、彼女の悲鳴が聞こえると同時に、腹部に激痛が走り、血を吐いたがなんとか成功したようだ。ものすごく痛い……寒い……。そんな中、彼女を縛っていた紐を解いて抱えては。
「よし……あとは……水圧推進……」
残り少ない水分を自ら使って、家の屋根から降りるが、大量出血で血が足りなくなって、着地と同時に倒れてしまったが、力が入らないが頑張って立って、フラフラする足どりで大きい路地に向かうが、出たと同時に倒れてしまう。
(嗚呼、またやってしまったな……最後に彼女だけ礼を言いたい……)
そう思って、話しかけた。
「やってくれて…………ありがとな……気が…………晴れた……」
「そんなこと言わないでよ…………私はやりたくて……やったわけじゃないの……」
「これで……」
彼女と俺は意識が遠くなるのを感じている。そして、目の前がボヤけて暗くなり、人々が集まって声をかけるのを感じるが
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