第20話 縦横家の蘇秦《そしん》と張儀《ちょうぎ》は仲がよかった?

 戦国時代において、大きな力をもった秦に対し、諸国は二つの選択をせまられました。


 諸国が連合して力を合わせ、秦と対抗する「合従策」。とくに当時力のあった韓・魏・趙・燕・楚・斉の六国が手を結ぶことを指します。


 もう一つは大きなものには巻かれろと秦と同盟する「連衡策」。


 縦(合従策。六国が南北に連なったことから)と横(連衡策)で、これらを唱える者たちを縦横家といいます。


 六国の宰相を兼任した蘇秦そしんは合従策を唱え、秦の宰相である張儀ちょうぎは連衡策を唱えました。

 

 一見二人は敵対関係のように見えますが、『史記』によれば、もともと二人はともに鬼谷子のもとで学んだ学友。


 張儀が秦に仕官するとき、蘇秦はひそかにいろいろと面倒を見てやりました。蘇秦としては合従策を切り崩されたくないため、気心の知れたものを秦へ送り込みたかったのでしょう。

 張儀はこのことに感謝し、蘇秦が生きているあいだは連衡策を用いないことを誓ったといいます。

 

 ただ蘇秦が張儀よりあとの時代に活躍したという説もあり、このあたりは異説がいろいろあるようです。

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