第19話 『大学』という書

 大学と聞くと、ふつうは学校を思い浮かべるでしょう。

 ここでは書物の話です。


『大学』という書は、儒教の重要な四つの書(『大学』『論語』『孟子』『中庸』)のひとつです。


 もとは『礼記』という礼に関する書物の中の一部分です。

 いかに徳を修め、そして世の中や政治に役立てていくかということが書かれています。


 孔子の弟子である曾子そうしによってつくられたといわれます。


 南宋のころ、「朱子学」で有名な朱熹しゅきが『礼記』から『大学』『中庸』の部分を取り出し、これに『論語』『孟子』をあわせて四書としました。


 以降、この四書は儒教で重要な書になります。

 科挙(官吏登用試験)でも出題課目とされました。


『大学』は分量も少ないし現代語訳もあるので、興味のある方はぜひ読んでみてください。

 ちなみに日本で『大学』は、二宮金次郎の像が読んでいる本としても知られていますが、歩きながら読む必要はありません。

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