作者さまのお話は他にもさまざま拝見したのですが、しみじみと心に残ったこちらをレビュー。
掌編ながら、その背後に広がる物語をじんわり想像できる奥行きが素敵でした(作者さまのどのお話もそうなのですが)。
少しずれれば後ろ暗いテーマになりそうなところ、それを見事にくすぐったいときめきへ昇華させていらっしゃるのが、作者さまの確かなお力だなぁと拝見しました。
あと一歩、でも一歩……。思春期とおとなの狭間を行き来する微妙な空気が甘酸っぱく、読者までむずむずと焦らされているような、甘やかな誘惑を覚えました。そこが好きです。
また、お料理がとっても美味しそう! 他のお話でもそうだったのですが、「今すぐ食べたい!」と五感ぜんぶを撫でられるような、こちらも甘い誘惑に満たされました。