破戒巫女に至る瑕疵

佐久間零式改

ほうらい塚のほうらい様

 Y県の山間にある、私達の住む八戒村はっかいむらには『ほうらい塚』という昔の偉い人のものと思しき大きなお墓があります。


 俗に言う『古墳』よりも後の時代に作られたものなのですが、古墳よりも小ぶりながらも、前方後円墳に近いお墓であったりします。


 何故そのようなお墓があるのか、古文書などが一切残されていないので分かっていません。


 ですが、何か『いわく』があるのは確かなようです。


 江戸時代からそうであったという文献がある上に、今現在もそうなのですが、村人の多くはほうらい塚は恐れ多いと言って滅多な事では近づきません。


 それに、下手にほうらい塚に関わると、ほうらい塚を守る『ほうらい様』に呪い殺されると言われているので、お参りに行くこともほぼなかったりします。


 どんな呪いがあるのか、私は知りません。知りたくもありません。


 何故ならば、私は知っているのですから。


 ほうらい様に関わって死んでいった人たちを……

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