『え!?左利き!?という反応に私は飽き飽きしている』




 我々左利きは全人類の8~15%という少ない比率の存在であるらしい。

 右利きにとって、左利きの人間はとても珍しい部類の人間なのだろうと私は予想する。

 そんな右利きの諸君に物申したい。


『え!?左利き!?という反応に私は飽き飽きしている』


 初対面の人間、職場の人達に、『私は左利きです』と告げると、人々は必ずと言っていい程の確率で『え!? 左利きなの!?』と驚かれる。

 無論、それで驚かない者もいるが、大抵はその反応を示す。


 子供のころ、私は左利きであることを誇りに思っていた。

 周りに左利きであることを驚かれるのを面白おかしく感じていたものだ。

 しかし、その反応が二十年以上続いてしまうと、私は左利きで驚かれるのを飽きてしまう。

 不快であるとは言わない。

しかし、やはりその反応より『ふーん、そうなんだ』と流して欲しいという気持ちがあることを右利きの諸君は知ってほしい。


 もちろん、仕事の教育上、右利きの諸君は左利きの者に教えることに苦労を覚えてしまうこともあるだろう。

 だからそんな反応を示すことも理解している。

 でも私たち左利きはそれを当然として生きている。

 例えは悪いが、盲目であること、聴覚に障がいのあるもの。中には腕が片方ない人間にとっても、それらの事は当事者にとっては当然で当たり前なのだ。

 だから我々は左利きの人間を存在することは当然のことだと知った上で接してほしい。


 これは私という左利きのお願いである。

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