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「いつまでも腐っておらずと、何かいい方法を考えておくのじゃな。今のお主が真に信頼を置ける仲間とは言いづらい状況なのはお主とて理解しておろう。友好な関係を保つためにも、頼むぞ。」


そう言い残し、ピピミは去っていった。


「ドアどうすんだよ。」

「マ?」


何故かハウスに残ったねこまと共にドアの破片を拾い集めるアネ。


「…まぁ仮病使ったのも悪いか…。」

「ウソ、よくナイ。」

「はいそうですね…はぁ…また出費が…。」

彼は常に深刻なギル不足である。

「たまにはイイもん食いてぇなぁ。」

「マ!?」

「ねこま、今1番何食べたい?」

「ニク!!!!」

「あぁ、だと思ったわ。」

「アネ、ナニたべたいノ。」

「んー…蟹かなぁ。でっけぇのな。」

「マ!!!!カニィ!!!」



「やべ…蟹…食べてぇな…。」

「カニィ!カニィ!」

「ねこまよォ。」

「マ!?」

「低地ラノシアにな。メガロクラブって言うバカデカい蟹がいるんだ。」

「!!!」

「あれよ…食えそうか…?」


緑色の殻を持つ巨大ガニ。少し毒々しい色合いである。


「タベル!!」

「へへ、よし、じゃあ蟹食べに行こうぜ!」

「マー!!!!」




低地ラノシア・モラビー造船廠ぞうせんしょう。青い空と海に映える白いレンガ作りの街並みが特徴的で船大工達の職人技も見学できる、リムサを支える船を作る街。

そこから南下した先に、例のメガロクラブがワラワラと生息している。


「何日かぶりに剣握ったけど、大丈夫かな。」

「眼、カー?」

「遠近感がよくわからん。こりゃ慣れなきゃだな。」

「気をつけテ。ケガ、ダメ。」

「おう。じゃあ、行くぞ!」

「マッ!」


2人は1時間近く蟹だけを狩り続け、極太のカニ足を100本近く手に入れていた。

大量のカニ足を安全そうな岬の先端に運び込み、そのまま地べたに座り込んだ。


「ふぅ。こんくらいありゃねこまも満足だろ。」

「カニ!イッパイ!!カニ!!!」

「はは。よっしゃ、食べようぜ…って、生でもイケるのか、これ…怖いんだけど…。」

ねこまがスンスン、と鼻を鳴らす。

「コレ、どく、ナイ!!」

「お前そんなことわかるのかよ!!」

「匂いデわかル!」

「すっげぇな!!ならこのままでいっか!」

ねこまがもう一度、鼻をスン、と鳴らした。


「リオン?」

「え?」

「近く、リオン、イル!」

「うげ…忘れてた…まだちゃんと謝れてなかったなぁ。」

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