サスペンス篇1、奥大井湖上駅

このお話は以前企画用として提出した、「湖上の駅」を、改作したお話で、女主人公久子のままですが、周りの人物などは偏光いたしました。何か事件が起きて、其れに翻弄されるという物を書いてみたかったのですが、初めから新しいキャラクターを作る自信がなかったのがその理由です。

ちなみに、奥大井は、一度だけいったことがありました。とても自然があって綺麗なばしょです。しかしながら、だいぶ過疎化が進んでいるようでした。空き家になった家などがかなりあるようです。

でも、きれいな場所なんですから、それを売り物にしていけないかなあと思うけど、其れもたぶん無理なんでしょう。ですから、久子の旅館も、今風にしなければやっていけないんだと思います。

癒しの場所として、奥大井の自然を残してもらいたいのですが、其れも無理なのかなあ。なんて思いながら、この小説を書きました。

ちなみに、このお話には続編があり、まず第一弾として「潰れた人」、さらには、「お盆に会いましょう」と続きます。

久子のお兄さんの弁蔵さんは、書いていてとても楽しいキャラクターでしたので、続きを書いてみました。自分のせいで家族が事件を起こしてしまったのに、其れをどうすることもできないキャラクターというのが気に入ったのです。こういう自分の存在意義に悩んでしまうキャラクターは、私も好きなんです。そういう事は、自然主義文學では実によく見られます。私が小説をかくきっかけをくださった文學です。もし、お時間のある人は読んでみてください。


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