本篇19、恵子さんの再婚

食堂のおばちゃん、塔野澤恵子さんを主役にしたお話。

今までのお話とはちょっと違った内容になっています。恵子さんと、片腕の男性小濱秀明が結婚するという内容。

多分きっと、恵子さんのような傷ついた女性を何とかするには、一般的な男性ではだめなのかもしれません。それはたぶん、恵子さんも知っているでしょうね。

秀明は、片腕ゆえに、完全な悪人にはなれません。はっきりと、腕がないとわかっている以上、犯罪には手を染められなかったのです。

いつも思うのですが、人間って、完全な人はいませんね。必ずどこかで欠点があります。それは何のためにあるんでしょうか。時にこれさえなかったら、と自分を恨むこともあるでしょう。でも、それは、完全に悪人にならないためにあるのだと考えてみてください。そうすれば、欠点ゆえに救ってもらうことも、沢山あると思います。

秀明は、片腕という事によって、恵子さんという妻を得ました。もしかしたら、長所ではなくて、欠点がプレゼントをくれたのかもです。欠点はなかなか治せないと言いますが、それも、そういう事なんだと思います。

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