本篇紹介

本篇1、竹生島(音楽譚)

ジャンルとしては音楽譚です。

ある一人の身寄りのない青年が、あこがれの師匠にお琴を習いに行きますが、結局

入門を認められず、力尽きるお話です。

2018年度、初の小説版作品。2018年、7月に制作しました。

タイトルはちくぶしまと読みます。

紹介文にも書きましたが、竹生島は琵琶湖にある小さな島のことで、一種の桃源郷のような存在だったそうです。そして、一度入ると二度と帰れないという説もありました。

いまでこそ、遊覧船に乗ってみることができますので、そんなものは当のむかしに

迷信となっていますが、江戸時代までは、伝説の島とされていました。

その竹生島に偶然迷い込んでしまい、琵琶湖の神様から歓迎されるというのが、山田流箏曲「竹生島」なのですが、、、。

今では、お琴屋さんに行っても楽譜が手に入りません。

よく演奏されていたんですが、幻の楽曲になってしまう日も近いでしょうか。

ちなみに、メルカリで、楽譜を入手することはありますが、それもなかなか見つけられません。このお話に出てくるように、最近は、手書きで書き写したものでも、それなりに売れる時代ですので、そういうものも平気で売られています。でも、調弦が違っていて、使えなかったということもよくあります。片雲井調子と半雲井調子とでは、音楽が全然違ってしまう。

理由としては、楽譜を出版している出版社が倒産したためですが、それに代わるものがないんです。山田流の古典は。長年この出版社が独占していたためです。

お琴をやる人は、増えてほしくないのかな?

楽譜がないと、何もできないっていうくらい分からないわけでもないですよね。

うーん困ったな。

でも、依然として、古い楽譜に誇りをもち、新しいものを使わせない、お琴の先生も非常に多くて。楽譜を調達できず、けいこが取りやめになった曲は、本当にたくさんありました。

そういうことは本当は起こってほしくないですね。だって、貴重な日本の音楽ですもの。

今は、版権をほかのところに移したとか、そういう話も聞きますが、特に再販に向けて大きな動きがありません。

なのでコピーに頼ってけいこしている状態です。

おかしいでしょ。

せっかくのお琴教室なのに。

また、ほかの教室とのけんかもすごく、演奏を聴きに行くと、必ずあらさがしされたりとか、そういうことをします。比べっこなんてしなくてもいいのにね。

日本人は、ほかの社中の悪いところをとにかく探しまくるのが好きなんですね。

そんなわけだもん、褒められて伸びるという人は出ないでしょう。

ずいぶん暗い話になってしまったので、大箸というかわいい鳥さんに登場してもらいました。動画サイトなどで見ていただけるとわかりますが、三色黄胸大箸は、本当にかわいかったので。

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