序章に対する終章

 八月三十一日、今日までずっと本を読んで過ごしてきた。補習は体調が良くならないと言ってさぼった。親友の二人も口裏を合わせてくれたようだ。

 明日から二学期、さすがに休んではいられない。そして今日はとても良いことがあった。


 寝る前にもう一度、メールを開く。知らない女性からのメールが何通も開封済みとなっているのだが、どれも文字化けしていて分からない。しかしこの先輩からのメール、何度見ても口元が緩んでしまう。


『私も、君のこと好きだよ』


 何も趣向を凝らすことは無かったのだと、安心して布団に入ろうとすると、一件のメールが届いた。例の女性からだ。どうやら画像ファイルらしいが、何枚あるんだろう、全然表示してくれない。


 十分近く待ってようやく全て読み込めた。

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