第46話 巡る春の日に

 佐倉汐穂。


 シホって、こう書くのか。

 妹さんと交換した連絡先の名前を見ながら思う。


 俺と妹さんは、また次の休みに会う事になっていた。


 俺が、幽霊になった凪音と過ごした日々。

 それを、妹さんに話す。


 ちょっと前の俺だったら、墓参り以上にとても耐えられない負荷だっただろう。

 でも、今の俺は楓のお陰で。きっと話すことができる。


 凪音は、消える前に。

 幽霊になっても妹のことを気にかけていた。

 妹さんは、凪音が死んでしまった今になって。

 姉のことを気にしている。


 せめて、俺が話せることは。どんなことでも話してあげたいと思った。


 凪音の為にも、妹さんの為にも。








 今日は、仕事は休日。

 妹さんとの約束の日だった。


 約束の時間にはまだだいぶ早いが、他にやることもないので家を出る。


 外に出ると、春の陽気を感じて。

 あぁ、また季節が巡ったのだなと実感する。


 青い空の下を、暖かな風が吹き抜けていく。

 幸いな事に、今日は天気もいい。


 凪音が消えたあの日も。

 こんな空だった。



 いつもの道を、ゆっくりゆっくり歩いて。

 いつもの公園に、辿りつく。

 公園の桜はもう花を咲かせていた。


 待ち合わせ場所は、またここになっている。


 天気の良さのわりに、人影は見えない。

 まぁ平日の中途半端な時間だし。

 学校が終わるにもまだ早いからな。


 それに、この公園にある桜は何本かだけだ。

 本格的に花見をしたい人間は、よそへ行くだろう。


 後で、俺も楓と一緒に花見に行くかなぁ。今年こそ。

 そんなことを考えつつ、いつものベンチに腰掛ける。


 このベンチから見える、桜が風に踊る景色は。

 凪音が最後に見ていた光景で。

 俺が、凪音に告白した風景だ。


 記憶の中の景色と、目の前が鮮やかに重なって。


 ほんの少しだけ涙が出た。




「泣いてるんですか?」


 声がかかって、その方向に振り向くと。

 制服姿の妹さんが立っていた。


「随分、早いな。まだ学校終わってないだろう?」

「今日は、早く終わりました」

「早く?」


 その割に他に学生は見かけないが。


「……さぼり?」

「いいじゃないですか。別に」

「ははっ。程々ならな」


 ま、彼女にだって学校をさぼりたい日くらいあるだろう。


 妹さんは、俺の隣にそっと座った。


「さて、何から話そうか?」


 今日は、凪音のことを話す約束だ。

 どんなことでも。


「あなたと姉の過ごした日々を……。なんでも」


 そう、妹さんは桜の木を見つめながら答えた。


「なんでもか。じゃぁまずは、これを話さないとな。……凪音が死ぬ前に俺と付き合っていたっていうのは、嘘だ。信じられないと思うが、俺がずっと一緒にいたのは幽霊になった凪音だった」

「――ゆう、れい」


 横目で見る妹さんの、瞳が揺れるのがわかった。


 でも、話は聞いてくれるようだ。


「二度目に出会った後、またゲーセンで俺は凪音と出会って。その時には凪音は、幽霊になっていた。地縛霊ってやつだな。俺は、凪音を家に連れて帰った。せめて、居場所くらいは提供しようと思って」


 妹さんは、何も喋らない。


 しかし、チラリと様子を見ると。視線で続きを促しているように見える。


「それからは、ずっと一緒だった。背後霊っていうのかな。凪音の好きだった男とやらに俺が告白させられたことだってあったし。凪音が着替える為に、女物の服屋に入り浸ることだってあったなぁ。俺も色々困惑したけど、でもそんな生活にもすぐに慣れたよ」


 慣れるどころか、どんどん楽しくなって。

 凪音に、どんどん惹かれて。


「凪音は幽霊の癖に明るくて、あいつとの生活は……楽しかった。俺は海なんて全く興味なかったのに、沖縄になんか行ったりしてさ。凪音の喜びようを見ていたら、こっちまで嬉しくなっちまって。あぁ、飛行機にもやたらはしゃいでいたなぁ。俺に、幽霊の力を使って飛行機の外の景色をみせてくれたっけ。すごく綺麗だった……」


 目を閉じて話していると、思い浮かぶ。

 あの、雲海も。

 沖縄の暑さも。


「沖縄でも、ジュースを湿布の味だって騒いだリ。海の景色が凄く綺麗で、二人で感動したり。あ、水着を褒めろって怒られたりもしたな。今だったら、もっといくらでも褒めてやるんだけどなぁ」


 青い海も、空も。

 今でも鮮明に思い出せる。


 なのに、肝心の凪音の姿だけは。

 すっぽりと、ピースの欠けたパズルのように思い出せない。


 水着だって、あんなに恥ずかしい思いをして選ぶの手伝ったのに。

 ちゃんと思い出せないのが、なんとも悔しい気分だった。


「それでさ。あいつ、俺と同僚をくっつけようとするんだよ。自分が消えた後の恋人にとか言って。でも、結局その娘とは友達になったんだ。それで、凪音の事も話して。三人で温泉なんかも行った。家族風呂まで水着で一緒にはいったんだぞ? 無茶しやがって」


 あー、秋になる前には二人で花火にも行ったよなぁ。

 思えば、あの頃から俺は……。


「そして、凪音が好きだって言ってくれて。俺たちは、特別な何かになった。普通の恋愛とは違うのかもしれないけれど。クリスマスも冬の終わりも。本当に恋人みたいに過ごした。すげー寒い中で天体観測なんかに行って、恋人っぽいからってさ」


 段々、認識できなくなっていく凪音が。

 それでも愛おしくて、たまらなかった。


 怖さと、充実感を、毎日のように味わって。

 まるでオセロの盤面みたいに心がクルクル色を変えた。


 凪音が消える、最後の瞬間に至るまで。


「段々、凪音は姿が見えなくなっていって。それでもあいつは明るかった。声だけになっても。可愛くて、面白くて。毎日が幸せだった。俺も。きっと、凪音も」


 毎晩言い合った。

 俺は、私は。

 幸せだからって。


「本当に……ずっと、幸せに……」


 隣から、微かに聞こえる妹さんの声は。涙ぐんでいて。

 だから、そちらを見ないように。正面の桜だけを見て答える。


「俺は、そう信じてる」


 でも。

 一つだけ、気になるとしたら。


「凪音は去年の春ごろには、もう完全に見えなくてさ。でもあいつは中々俺には好きって言わせなかった。声も届かなくなったら、自分が消えるギリギリを狙って告白しろとか言うんだ。そっちの方がロマンチックだからとか言ってな。滅茶苦茶だろ? 回答のないテストみたいだと思ったよ」


 このベンチで。

 姿も見えず、声も届かず。

 それでも、きっと隣にいると。そう感じてた。


 だから俺は、告げたんだ。


「俺はここで。あいつに、好きだ。愛してるって。……そう、伝えた」


 俺の告白は、あいつの望んだ最高にハッピーな気分とやらに届いたのだろうか?


 凪音は、最高に幸せな気分で。

 消えていけたのだろうか?


「タイミングには結構自信あったんだ。でも、本当に凪音が最高に幸せな最後のまま消えることができたのか……俺にはわからない」


 きっと、そうであったと。

 信じることしか、できない。


 その答えは、もう永遠に。



「もう無理……」


 そんな小さな呟きが風に乗って、耳に届いた気がした。


「え? なんて――」

「最高に……幸せだったに決まってるでしょ!」


 隣からの突然の大声に、思わず振り向く。


 涙でぐずぐずになった顔と、目が合った。


「かいとう? 教えてあげるっ! 惜しい。もうちょっと、粘れた。――けど。最高に、うれしいから。ハナ……まる……」


 ――え?


「な、にを?」


 頭の中が、白く白く染まっていく。


 隣に座る彼女は、とうとう立ち上がって俺の正面に立って。


 青空に透けて見える様な桜色を背中に背負った。


 その涙を流す姿が、ずっと探し求めた姿に重なって。


「ついでに告白の返事もしてあげようかっ? 好き! 私だって大好き!! ずっとずっと愛してるっ。例え……死んでいても、生きていても!!」


 時が止まったように感じる。


 頭が回らない。


 ただ、見開かれた目が彼女だけを捉えていて。


 気がつけば、口から言葉がこぼれ出ていた。


「――凪音?」

「……なぁに? ゆうと」


 ボロボロと涙を零しながら、は答えた。


 思わず立ち上がって、彼女の頬にそっと触れる。


「さわ……れる」

「もう、幽霊じゃなくなっちゃったよ」


 凪音の頬に触れると、涙に濡れた感触と共に。

 暖かさが確かに伝わってきた。


 これは、現実か?


「凪音……俺、お前に……会いたくて」

「――うん」


 ずっとずっと。

 会いたくて。


「いつも……声を聞きたくて」

「――うん」


 一緒に。

 笑って、話しがしたくて。


「ずっと……好きだった」

「――うん。 わたしも」


 消えてしまわぬように、恐る恐る。

 目の前の凪音を抱きしめた。


 すり抜けることも。

 消えることもなく。


 凪音は、すっぽりと腕の中に納まった。


 それどころか、彼女も。

 俺をしっかりと抱きしめ返す。


「……おかえり。凪音」

「――ただいま。ゆうとっ」


 胸の辺りが、熱く濡れる感触を覚え。


 目が、壊れた蛇口みたいになって。


 俺は生まれて初めて、嬉しくて止まらなくなる涙を経験した。













 抱き合ったまま、ひとしきり泣いて。

 やっと、少しだけ頭が回るようになってきた。


 だから。


「教えてくれ、凪音。一体何がどうなってるんだ」


 抱きしめていた凪音を、そっと離して。

 顔を覗き込む。


「それは……その……」


 凪音は、まるで叱られる前の子供みたいな顔で俯いてしまった。


「凪音。俺はお前がここに居るだけで、どんなことでも許せる。だから、気にせず話せ」


 俺の言葉に。ゆっくり視線を上げた凪音と、目が合う。


「……気が付いたら。病室のベッドの上、だったの。交通事故で、意識不明の重体で、いつ死んでもおかしくなかったって。体はガリガリで、髪も真っ黒で。それで。優人って男の人が、好きだった」


 意識不明。

 つまり凪音は。幽霊ではあっても、なりかけみたいなものだったのか。


「あの射的をしてたおっさんだってわかる。でも、夢の中のことみたいで。なのに、幽霊だった頃の心がむき出しの感覚がずっと残ってて、怖くなった。肉体があると心の感覚が違って。頭がおかしくなりそうだった」


 夢、か。

 俺も凪音がいた時間が、まるで夢の中みたいに感じていたけれど。

 それとは、意味も重みも全く別次元の話なのだろう。


 そして、幽霊と生身の感覚の差。

 それは、最早凪音本人にしかわかり得ない。


「それでも、リハビリを何か月もやって。なんとか退院はできて。すぐに優人の所に向かったの」


 俺の所に、来ていた?


「実は、ずっと見てたんだ。遠くから」

「言えよ……」


 心底、言えよ。


 でも。

 俺がどんな気持ちでいたか?

 なんて言うつもりはない。


 理由があるに決まっているし。

 なにより、凪音だって辛かったにちがいない。


「こわ、くて。自分の心があの時とどう違うのか。もしかしてあの時のことが、全部夢みたいなものだったんじゃないかって。わからなくて……」


 一度、幽霊として俺と触れ合った凪音。

 その、凪音だから理解できる恐怖と不安。


 俺には、その感覚をわかってあげることはできない。


「それに、消える前に。私、ずっと楓ちゃんと付き合えって言ってたから。もう、優人の隣は空いてないかもと思って。それも、怖かった」


 あー。近頃かなり楓が家に遊びに来てたしな。


 でも、そっちは全然心配する必要なかったんだけどなぁ。

 だって。


「お前が思ってた以上に、俺はお前のこと好きみたいだぞ」


 なめんな。


「そうみたいだね……この、バカ」

「うるせぇ」


 凪音は、薄く笑って言う。


 お前だって人のこと言えないだろうが。

 ストーカー状態だったくせに。


 ん?

 ……ってことは、公園でやたら黄昏ていたのも?


「それで、なんかやたらに優人が公園で呆然としていることが多いから。これはちょっとまずいんじゃね? って思ってたら、優人が忘れ物して」


 あぁ~……やっぱ見られてたよ。

 独り言まで聞かれていませんよーに。


「それに気を取られてたら、優人が来た。見つかった時に備えて、化粧とか髪型とか変えてあったから。私は、死んだことにしておこうって思って」

「お前……妹設定は準備万端でやってたのかよ!」


 どんだけ周到にストーキングしてたんだっ。


「だって! ……私の心がはっきりするまでは遠くで見ていたいと思ってたから。だから、めっちゃ喋りにくかったけど、口調も変えて。妹になりきった」


 なんか妙にたどたどしい喋り方する娘だなぁとは思ったけど、そのせいかよ……。


「でも。妹として会ったら、なんだかもう。会いたくてもっともっと会いたくて。我慢がどんどんできなくなって。ずっとずっと、近くにいたくて」

「だったら、そう言えばよかったじゃないか」


 妹で居続けるのに何の意味があったというのか。


「――幽霊の、純粋な心の塊だった頃の私みたいに。優人のこと好きでいられるのか。優人に、好きでいてもらえるのか。それが、怖くて。だったら、一度生身の別人として……もう一度好きになってもらうことが出来れば、きっと大丈夫。そう、思った」


 徐々に小さくなっていく凪音の声。


 なるほどな。

 そういう、ことか。


「でも、ダメだった。優人と私の過ごした日々を聞いていたら、全部が鮮やかに蘇ってきて。溢れてきて。我慢できるわけないよね? だって、凄い好きなんだもん。怖くて、怖くて。それでも好きなの」


 困った様な泣き顔のまま、笑う凪音。

 思わず溜息と共に、その頭に手を載せた。


「んっ。な、なによ?」


 頭を撫でながら言ってやる。


「アホか。こっちは始めっから肉体ある状態なんだよ。それでも馬鹿みたいに凪音が好きなんだ。一度心で触れ合って、それで好きになった。それが簡単に消えたりはしないさ」


 きっと、凪音が感じているのは。当たり前の恐怖。

 人間は、自分の心が見えにくい。


 幽霊の時の凪音は、いわばチートを使っていたようなものだ。

 自分の心が純粋に、あまりにもクリアに見えていたのだろう。


 だから、余計に戸惑ってしまう。

 当たり前の、人の心に。


「……そだね。私、怖さで見えなくなってたんだね。あの、澄み渡った空みたいに混じりっ気なしの想い。 優人が、好きって」


 凪音は、頭に乗っていた俺の手を下ろして。

 そっと、自分の両手で包んだ。


「――うん。私、優人が好き。今度こそ本当に、私が死ぬ時がきても。最後まで、アナタを愛してる」


 そう言って、凪音は。不思議に透明感のある笑みを浮かべた。


 それはまるで。


 幽霊だった頃の凪音。その透き通った心を見ているようで……。


「俺も、何回だって言ってやる。凪音のことが好きだ。死ぬまで、死んでも。凪音のことを愛してる」


 もう一度お前が死んだとしても。


 今度は、俺が先に死んだとしても。


 それでも、俺はお前のことを好きでいるよ。


 何しろ、幽霊経験者が言っていたのだから間違いない。

 死んだら、よりはっきりわかる。


 心から、好きな相手が。


 どこまでも……純粋に。


「でも、なるべく死ぬなよ? 俺はまじで寂しくて泣くからな? マジ泣きしたんだからなっ」


 大の大人が!


「優人のマジ泣きか~。うん、いやさっき嬉し泣きは見たけどね。私のこと恋しくて泣いてるのも見たかったなぁ~」


 やかましい。

 見たがるなそんなもん。


「じゃーお前は泣かなかったのかよ?」

「はぁ~? 泣いたに決まってんでしょ。毎晩泣いてたっつーの。優人の傍にいたくて」

「お互いさまじゃねぇか」

「うっさいなぁ。しょーがないでしょ! 私だって自分の心がはっきりしないの怖かったの!」


 そーかい。


「そんで、今ははっきりしたのか? 自分の心」

「あ~もうっ。だからさっきから言ってんじゃん! したよっ。ちょー好きだよっ。怖くて怖くて仕方ないけど、でも好きで好きでたまらないのっ!」


 まだ怖いのかよ。

 まぁ、無理もないか。


 俺だって、ずっと怖い。


 でも、幽霊のお前が言ったことだぞ?


 死んだら本当の「好き」がわかる。

 だから、今を楽しめって。


「怖くなくなるまでずっと好きって言ってやろうか?」

「ヤメロ! こっちはねぇ、肉体が戻ってから我慢すんの大変なんだからっ。優人に触りたいとか、抱きしめたいとか、頭なでろとか! いっそ押し倒してやろうかと思ったわ」


 こいつ……肉体が戻った反動で妙に肉食系になってやがる。


「まーそれは好きにしろよ。前も言った通り、お前の望む関係ならどんな関係だろうと……」

「言ったな! じゃー今は取りあえず恋人っ」


 言うや否や、凪音は俺の胸倉をつかんで急に引き寄せた。


「ちょッ服が伸びっ」

「黙れっ口とじろ」


 殆ど化粧をしていない、凪音の顔が真っ赤に染まる。


「んっ」

「んんっ!?」


 胸倉をつかまれたまま、えらく不器用なキス。


「はぁ……」

「……お前なぁ」


 凪音は、やっと俺の服を離すと満足そうに笑った。


「へっへ~。これであの不名誉なファーストキスは更新だ!」

「不名誉な……?」

「なんでもないっ」

「あ、お前。俺が見えてない時に」

「だまれ! それ以上言ったらここで押し倒すからねっ」

「捕まるわっ」


 まーったく。


 こいつといると、なんでこんなに楽しんだろうなぁ。


「さてー、楓ちゃんにも会いに行くかぁ!」

「そうだな。楓にも散々心配かけたし」

「ん? 楓? おやおや~? ちょっとー。なんだかんだ言ってちょっと進展したんじゃないの~?」

「友達としてだよっ。だから俺はお前が好きなんだって言ってんだろっ!」

「も~。本当に私のこと好きだなぁ優人は~」

「だから散々そう言ってんだろうが!」

「えへへ~。私も~!」


 くっそ。

 そう言って抱き着いてくる凪音は、やたら可愛い。


 生身になったとたんバンバン抱き着いてくるようになりやがった。


「じゃー、行こう! 優人っ」

「ちょっ、何処にだよ」


 今、家に言っても楓はいねーってば。


「いーから行くのー!」


 そう言って、先に走り出す凪音を後から追いかける。

 すると。


 突然くるりと振り返って。


「優人! ダイスキ!」


 桜の舞い散る公園で、彼女は笑ってそう叫ぶ。


 あの時、見る事が叶わなかったその光景は。


 想像してたより、ずっとずっと綺麗だった。



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