第3話 説明、この世界の事
昼食はそこそこ美味かった。しかし、そこそこということは城下町はあまり期待しない方が良いのかもしれない。
トイレも上等なものでは無かったし。
だから俺は異世界に行きたく無かったのだ。
コンコン
部屋でくつろいでいたところ、部屋のドアが叩かれた。恐らくメイドだろう。
「どうぞ〜」
俺は入室を促す。
「失礼致します。海斗様、お時間ですのでお集まりください。」
入って来たのはメイドのねーちゃんだった。俺はメイドのねーちゃんに連れられ、幾多ある部屋の一つに入った。
部屋の中にはクラスメート達がいた。そこそこの人数揃っているのでもう暫く待てば来るだろうと考え席へ座った。
〜〜〜〜〜〜
暫く経った後、クラスメートが全員揃った部屋に一人の男が入って来た。男は学者の様な風貌をしている。
「え〜、皆さんどうもこんにちは。この世界の事をお教え致します、私、レーゼと申します。どうぞよろしく。」
そう言ってレーゼさんはこの世界の事を話し始めた。
「まず、あなた達も気になっているであろう時間についてですが、1日の始めが山の核と言います。太陽が真上に昇る頃、これを天の核と言います。天の核二時が太陽が真上に昇る時です。
そして、次が海の核。最後が月の核となります。山の核、天の核、海の核は4つずつに区切られていて、読むときは山の核一時という風に呼びます。月の核は例外で12の区切りがあり、この流れで1日となります。
ここまで、分かりましたか?」
成る程、つまり時間は地球と同じ24時間で、昼の間は山の核、天の核、海の核に分けられていて、夜はまとめて月の核といった感じか…
そう勝手に納得し、話の続きを聞く。
「え〜、分からない事があると思いますが、どこらへんが分からないのか質問をお願いします。」
いや、まぁそもそも一から分からないのだが…あちらも勝手が分からないのだろう。
「はいはい!この世界のお金の事をお教えて下さい!」
「そうですね、かつてこの世界のお金の単位は国ごとにバラバラでした。しかし世界各地を渡り歩き、世界のお金の単位を統一した、一人の偉人によって、お金はどこの国でも変わらなくなりました。その偉人の名を取ってお金の単位はレクトとなりました。
他に何かありますか?」
「魔物とかっているんですか?」
健二が聞いた。俺のラノベの話を聞いていたので気になったのだろう。
「魔物はいますよ。魔物にはランクがあり、下から下級、中級、上級、超級、災害級、厄災級があります。災害級より上は国一つでは倒せないと言われていますので、出会ってしまった時はご注意を。」
「それってこの国やばいじゃないですか!?」
「災害級より上は争えば危険ですが、基本的に自分の住処から出てこないので手を出さなければ問題ないです。ですのでどうか、手は出さないで下さいね。」
そう言ってレーゼさんは笑顔で脅しをかけてきた。
まぁ、自分たちの国を脅かす魔物を刺激されたらたまったものではないだろう。
「はいはいっ!魔法ってどう使うんすか?それと異能も!」
聞きたいことはある程度聞けたので、ここぞとばかりに手を挙げる
この世界の常識なんかよりも先にまず魔法だ!あの憧れた魔法が使えるかもしれない!
「成る程、分かりました。では、ここでは危険ですので一旦外へ移動しましょう。」
そう言ってレーゼさんは部屋を出る。俺たちもついて黙って行った。
勿論、心の中では騒ぎまくっている。
魔法が使えるようになったらどんな名前をつけようか?雷の魔法とか使ってみたいとかを考えながら…
そんな、希望に満ちた夢をまだこの時は考えていた…
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