第2話 犠牲者の集い

しばらくあるいていると廊下の先に広い空間が現れた。円形の部屋で2階まで吹き抜けになっていた。そこから光が部屋の中心を指していて、その先には椅子が円形状に並んでいた。そしてその部屋には私以外の人がいた。同い年くらいだろうか…

「やぁ、これで全員揃ったね」

「全員?」

「あぁ、今君を含めて14人いる。そして椅子は14個、通路も階段を省いて14個、これは多分参加者ってことでしょ?」

そうか、、おもわず聞き直してしまったが、確かに通路が15箇所あり、一ヶ所には階段があった。つまり、誘拐されたのも14人ということか。

「てかさ、せっかく椅子あるのになんで皆座らないの?足とか疲れるっしょ」

また別の男子が言った。さっきの人よりもチャラい感じだ。しかし皆賛成したのか、全員近くの椅子に座り始めた。最初に話した男子が話し始めた。

「とりあえず自己紹介でもしようか、俺は武口蓮、高3だ。俺から時計回りで自己紹介でよろしくね」

「なら私ね」

長い黒髪の女子が言った。

「私は土川由奈、高校2年で、皆いまからやろうとしてるやつ聞いてると思うけど、私は何回かやってるからわかんないことがあったら教えるね」

なるほど経験者か。私も多少はやったことあるやつだったが、わからないルールとかは聞くといいかもしれない。

「ひ、日比野萌花です。高校1年です。よ、よろしくお願いします」

丁寧語で声を震わせながら日比野は言った。怖さで震えている日比野はまるで小動物を連想させていた。

「あ、次俺じゃん!俺は森一輝、俺も高1っす!ガチ初心者だから!!よろしく!」

さっきのチャラい男子、森が言った。なんだ…年下だったのか…いや、あまりにもチャラすぎないか?

「俺は阿後内和也、高3だ。人狼はあまり詳しくないから多少荷物になるかもだが許してくれ」

仏頂面の男子、阿後内が言った。名字のいうわりには顎は対して悪くはない…と思う。

「小田美沙、理沙の姉で高1よ」

「小田理沙、美沙の妹で高1だよ」

姉妹と思われる女子、理沙と美沙が言った。ポニーテールが理沙、ツインテールが美沙と覚えよう。

「…金木翔太、…高2」

フードを深く被った男子?、金木が言った。顔がよく見えないし声も男子並みの低さだから男子だと思うけど、声自体小さかったし怪しさMAXすぎる…

「僕は村山加奈子、高3だよー。僕も特にいうことはないかなぁ」

ボーイッシュっぽい女子、村山が言った。高身長だし宝塚の男役やってそう…なんか羨ましい。

「多田悟志、高3だ。正直言うとこのゲームを本気でやろうとするやつの真意がわからん。出口を探した方が得策じゃないのか?」

体つきがいい男子、多田が言った。さっき私は窓から出ようとしたら殺害されると言われたがどうやら彼には言われてないようだ。

「それは得策とは呼べない。誘拐犯にとっては俺たちはいつでも殺せたはずだ……なんも処置もせずここに閉じ込めたとは考えにくい。言うことを聞いていた方が安全かと思う」

「そうか……」

多田の質問に対し、武口が言った。確かになんで誘拐犯はわざわざここに閉じ込めたのだろう……なぜこんな回りくどいやり方を……犯罪者の思考ってわからないや。

「鈴岡瀬戸、高校1年っす。おなっしゃす」

坊主頭の鈴岡が言った。口調は森っぽさがあるがこちらはなんだが野球部のユニフォームが似合いそうで、清潔感があった。

「清原勇作。高校2年です。よろしくお願いします」

簡単な挨拶だけを済ませた男子、清原が言った。

はて、清原勇作……どっかで聞いた気が……

「坂本雪乃、高校三年。皆初対面だけどよろしく」

眼鏡をかけた女子、坂本が言った。雰囲気としては土川みたいだ。

そして気がついたら私の番になっていた。

「九十九哀羅、高2です。人狼ゲームは昔ちょっとやってた程度です。よろしく」

声は震えてたかも知れない。いや、もしくは堂々と言ったかも知れない。頭が半分真っ白な感覚だった。

「よし、とりあえず自己紹介は全員済んだな……さて、ここからどうするか……」

武口がそういった、そのときだった。

「プレイヤーの皆さん、お待たせいたしました。それでは人狼ゲームについて説明させていただきます」

どこからか声が聞こえた。

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