第4話
大喧嘩の後、ワタシもアイツも顔や身体中に絆創膏や湿布を着けられて、再び会った。ただ今回は、お互いの父親が一緒だった。ワタシは内心、ある諺の具体例だと思い、子供ながら情けない気持ちになった。
お互いの親は、それぞれ頭を下げ合いながら、それぞれの子供にも頭を下げさせた。ワタシは、父親の叱責の怖さで頭を下げていた。アイツは、仕方なく頭を下げていた感じだった。それを察したワタシの父は、アイツに問い質し、アイツの本音を引き出した。
アイツは、白黒ハッキリさせる為に、勝負を申し込んできた。ワタシは嫌がったが、ワタシの父がアイツの事を気に入り、受ける事になってしまった。
勝負方法は、(主にワタシの父とアイツが)色々話した結果、『アイツが家の前の坂道を一気に駆け上がれるか否か』、で決まった。一気に駆け上がれる事が出来ればアイツの勝ちで、ワタシはアイツに手料理をご馳走する。駆け上がれずアイツが無理だと判断した時は、アイツは敗けを認めて土下座をする。(本当はアイツが勝てば、ワタシのファーストキスをアイツとするだったが、ワタシが猛反発したので、手料理に収まった。)
こうして勝負は始まり、そして決着が着かないまま、3年が経過した。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録(無料)
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます