第2話

切っ掛けは、喧嘩だった。

10歳の夏休み。ワタシが朝刊を取りに門扉に行ったら、同じ歳頃の男の子が、丁度郵便受けに新聞を入れていた。興味を持ったワタシは、話し掛けた。しかし配達中のアイツにとっては、それが邪魔以外にならなかった為、アイツは、ワタシに挨拶だけして立ち去った。その態度にワタシは憤慨し、両親に話して同意を求めた。だが父が、ワタシの相手に気遣いない態度を叱った事で、ワタシは自分の過ちを反省した。

その日の夕方、ワタシは父から譲って貰った菓子折りを持って、謝りに行った。急な来訪にアイツは驚いていたが、新聞販売所を営んでいるアイツ両親は、ワタシをアイツの友達と思って、歓迎してくれた。ワタシはアイツに謝罪を済ませて帰ろうとしたが、アイツの母親が、強引にアイツを送らせた。その途上で、切っ掛けが起きた。

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