街の拍動

名もなき夜に横たわるはビルの群れ。トラックの血流。高速道路は大動脈。

高架下では排気という名のため息一つ。

今日もこの街は絶えず代謝し続ける。

そのホメオスタシスを守るため。その先は何もないぽっかり穴だって、

知ってるはずなのに。

早朝は大勢の人がなだれ込んで、深夜は淋しく終電へ。毎日毎日忙しなく。

3日前に出会った彼彼女とはもうなき再会。

止められない鼓動を維持するためその街は尚も生長する。

ドクン、ドクンと五臓六腑は止めどなく。


どこかでいくつか細胞が死んだ。

それは壊死、もしくはアポトーシス。

そんなことは露知らず、

今日もこの街は代謝し続ける。

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