第475話 魔神軍

「レイさん、そろそろ魔神軍勢の一部が攻めてきます。総神力は……え、4570万……?」


玲奈はセントラルタワーに攻めてきた魔神軍勢の神力を計測して自分とテレーザに教えてくれたのだが、総神力が異常値だった為に珍しく動揺していた。


玲奈が計測に使用している【魔導具】は、なんちゃらボールのスカウターみたいな物で、範囲内にいる全ての魔神族の総神力を計測する事ができる自分の【鑑定眼】と玲奈の技術力の合作なんだけど、Sランク単体ならば神力は約30万程度であることから推測すると、四天王もしくは12王刃が攻めてきたかだろう。


3年位前に1度、12王刃の【振王】と戦ったが、神力は124万でテレーザが単騎で倒した。


しかし、12王刃は特殊な武器を使う変わった魔神族で、【振王】は本体よりも武器が厄介なのが印象的だった。


まあ、12王刃ですら124万なのに、総神力が4570万と出れば誰でもビビるだろう。


もしかしたら四天王の誰かが出てきたのかもしれない。


12王刃は武器を操り、四天王は何かの技術に特化した魔神族で【魔天】は魔術、【我天】は肉体強化、【癒天】は治癒、【遊天】は遊びという……そして【遊天】だけは不思議な襲撃をしてくるらしいがかなり強い。


分体に関しては名前しか分からないので、強さも能力も不明だが、四天王より強いのだから果てしない強さだろう。


「あちらの方角から攻めてきますが、テレーザさんの眼で見えますか?」


玲奈は何も見えない荒野を指差し、テレーザに見えるか聞いてきた。


この中ではテレーザが圧倒的に視力が良いからな。


というか、玲奈は眼鏡をかけるほど視力が低いし、自分も両眼が【魔導眼】になってからは特殊なものは見えても、一般人が見えるものは基本的に見えないから推察して判断しなくては駄目な状況だから、視力的には一般人以下となる。


その点、テレーザの場合は視力うんぬんを超えたレベルであり、昔に計測した時には25キロ先の小さなボールを認識出来ていたのには驚愕したのを覚えている。



あと、背後にいる【真素生命体】であり、シンディクローンの改良体や、それとは別に自分の遺伝子を元にした【魔導複製体】に特殊な【魔導石】を埋め込んだレイクローンで、テレーザの遺伝子から作った【天翔複製体】という体に【魔導石】を埋め込んだテレーザクローン。


自分やテレーザの意思は反映しているが、自立して動く擬似生命体で、容姿は自分達とほとんど同じだが、自分達みたいな不老ではない為、年齢は30歳近くて、自分達が大人になった感じである。


レイクローンは自分の作った漆黒の特殊武装を皆が装備している。


テレーザクローンは何故か皆が天使の羽根が生えており、羽根の枚数は個体差があり、羽根が多い程に強かった。


その擬似生命体が12体ずつおり、26体のシンディクローンと合わせれば50体になり、かなりの戦力になる、テレーザクローンは特殊兵装込みで10キロ先の物が認識でき、レイクローンとシンディクローンは特殊兵装だよりだが1キロ先まで認識出来る。


このレイクローンとテレーザクローンは、自分達の遺伝子と特殊素材、【魔導石】をベースに作ったセシリアみたいなものだが、玲奈がシンディクローンを遠隔操作したものよりも抵抗値がかなり低減されている優れものだ。


しかも遠隔操作が可能な距離は現時点では戦時中に戦力を分散出来ないという理由もあり測定不能ではあるが、物理的には【真素】や【魔素】が充満している世界ならば無制限だと考えている。


ちなみにだが、レイクローンとテレーザクローンの強さは作った時点では本体の約1割程度で、それからは各自が自立して訓練をしているので、個体差が出ていた。


あと【魔導石】を埋め込む前だと、完全な生命体と認識されていないからなのか、何故か【ストレージ】内に収納する事は出来た。


【魔導石】や【魔導複製体】単体ならば【ストレージ】に入るのに、合わせると入らなくなるんだよな。


他にも【ストレージ】内には【魔導複製体】の元になる種子が大量に保存はされているが、管理しきれないので使う予定は今の所は無かった。

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