第473話 セントラルタワー②
自分とテレーザがセントラルタワーに来てから、既に3年の月日が流れていた。
この3年間、自分達は何をしていたかと言うと、テレーザは玲奈の作る実験薬の手伝いと、地球での武術の習得、自分と玲奈合作によるパワードスーツの運用試験。
玲奈の作る実験薬とか、言葉の響きだけを聞けば、やばい感じはするが、自分とテレーザは既に玲奈が作った実験薬を既に投与されているから、今更感はあった。
この実験薬……実は【魔導変異薬】の高濃度バージョンだったりする。
現在、テレーザは実験薬を8回接種していて、予定では10回まで接種可能だと玲奈が言っていた。
ちなみに、この実験薬は強くなるというよりは器の容量を拡張させるイメージの方が強く自分の中ではゲームのレアリティが上がっていく感じだと思っている。
このレアリティ拡張は、普通の人ならば1回が限界で、才能があっても3回までしか耐えられる人は見たことがないと玲奈は言っていた。
だから、テレーザの計り知れない才能には玲奈ですら驚愕していた。
あ、自分は4回まで耐えたから、才能は一応あるのだが、8回が目の前にいると……うむ、そこは忘れよう。
あと、玲奈が地球で発展した数多くの武術が擬似体験出来るイメージトレーニングルームというのがあるのだが、テレーザは暇さえあればそこに通い、地球の武術を異常なスピードで吸収していった。
自分もイメージトレーニングルームには別の目的で来ていたが、やはり上手くはいなかい。
そして、最後に自分専用の【魔導鎧】である【オルタナティブアーマー】や、テレーザ専用のパワードスーツである【天使の衣】の開発だが、玲奈が素材と技術を提供し、自分が素材をアップグレードし、組み上げる作業をしていた。
そこで自分と玲奈のパワードスーツというよりかは、ロボットや機械鎧についての意見が割れる事態になった。
玲奈は高性能を求める所は自分と同じだが、玲奈とは美的感覚の大切にする部分が異なり、玲奈は精密に造られたものを無駄なくコンパクトに収めるのがベストだと考えているが、自分の場合は超高性能で、無駄も大切だと考えていて、場合によってはバワーを出す為に巨大化しても仕方ないと考えている。
やっぱり自分はロボットと言えば、ガ○ダムみたいなロマンが詰まった機械が好きなので、【オルタナティブアーマー】みたいな【魔導鎧】がベストだと思っていたが、玲奈は非効率だと言い、パワードスーツみたいなテレーザの肌にフィットしたダイバースーツみたいなものが良いと譲らなかった。
そこで妥協点として、自分専用は超巨大な【オルタナティブアーマー】を造り、テレーザ専用はパワードスーツみたいな【天使の衣】を開発する事にしたのだ。
ちなみに、開発状況は3年経っても、25%程度でかなり開発はゆっくりだが、これには理由があり、この【オルタナティブアーマー】と【天使の衣】は持ち主と共に成長するという特殊性能と、自己修復機能があるだからだった。
★
玲奈から様々な事実を知らされると、未来に起きた不思議な事件や現象も、もしかしたらセントラルタワーにある科学技術の亜種みたいなものが長い年月をかけて世界に広まっていったのかもしれないと分かった。
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