第472話 ジョブホッパー⑪

深夜達のパーティ、『デッドリーロード』はオリジンゲート調査へ向かうが、目的地に到着する前に謎の集団に襲撃に遭ってしまう。


『デッドリーロード』は覚醒者のパーティとしては上位に食い込める程の強さがあったが、それは個々の脳裏が高いのと強敵を倒せる戦力があったからだけど、他のパーティに劣る点は、やはりパーティ人数が少数の為、戦闘継続能力が低い事だったが、そこまで連続して敵が現れる事もなかったから問題は無かったが、今回の襲撃者達はその弱点を執拗に攻めてきたので、『デッドリーロード』はじわじわと追い詰められてしまい、目的地に到着する前に消耗してしまい、敗走してしまったらしい。


しかし、その襲撃により1回目のオリジンゲート攻略も何者かの妨害があったであろう事が確信に変わったらしい。


なぜなら襲撃者の攻撃痕から、覚醒者達が所属していたクランが発覚したのだ。


「私達はクランが何処か分かった事で貴志さんを嵌めた者が分かり、事実を公表しようとしましたが、クランリーダーが日本では英雄扱いであり、私が事実を公表しても国民が信じてくれる可能性は低い事実も分かりました……」


それから語る玲奈さん達と英雄がリーダーであるクランとの壮絶な戦いが何年も続き、『デッドリーロード』のメンバーは疲弊していき、まともに戦えるのは深夜さんのみになったらしい。


自分もそうだが、テレーザも聞いていてクランのやり方が酷く陰湿で嫌悪感を露わにしていた。


「そこでお兄様は、このままでは仲間達を助けられないと判断し、私達が想像もしなかった行動に出ました」


「それは?」


「『デッドリーロード』のメンバーを含む関係者達、その他にも貴志さんやエリの遺体なども纏めて異世界へ飛ばし、地球から脱出し異世界で新たな人生を歩もうという計画です」


「……え? 異世界に飛ぶ?」


「はい、地球もアビスゲートにより人類は激減していましたし、異世界に飛ぶ為のエネルギー源も複数のアビスゲートを破壊した時の膨大なエネルギーを使いましたので、微力ながら世界貢献も出来ると言うWin-Winな画期的な計画です」


相変わらずぶっ飛んだ中二病が発動している感は否めないが、自分やテレーザがいる時点で、前世の深夜さん達が地球からこっちの異世界に跳んで来たのだのが実現したのだろう。


しかし、それを語る玲奈さんの表情は悲しそうなのは何故だろう?


「それでこの世界に?」


「はい、今から700年近く前に、理論上の限界人数である100人で集団転移して来ました」


「それは凄いね……」


異世界に行こうとして、異世界に行くって……


「しかし、この世界も700年前は文明が、よくある異世界転移の中世ヨーロッパとは比べるレベルにない程の酷い状態で、更には様々な種族、生活様式があり、私達は完全な部外者でしたが、幸いにして私が地球から持ってきた様々な道具も転移出来たので、このセントラルタワーを中心に文明レベルを原住民に提供しつつ、徐々に今のレベルになる様に調整しながら世界を発展させていきました」


「それでセントラルタワーだけが異様に発展していたんですね」


「はい」


それからは今の時代まで何があったのかを聞いたが、自分もテレーザも驚きの連続だった。

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