第470話 ジョブホッパー⑨
玲奈さんの語る覚醒者によるオリジンゲート攻略は、後味の悪い終わり方をしていた。
麻藤深夜の妹である麻藤エリの死、そして親友の貴志が人類の裏切り者というレッテルを貼られてしまった。
その後、玲奈さんは真実を調べる為に、いろいろ調べたりしたらしいが、麻藤深夜は覚醒者として覚醒し、オリジンゲート攻略をするべく、深夜は玲奈さんと聖女コーデリア・クラウス。魔女シンディ・ハーバル。見習い騎士テレサの5人でパーティを組む事にした。
・コーデリア・クラウス
…クラウス家が資金援助をしている大富豪の令嬢。覚醒者クラスは聖女。回復スキルなどが得意。
・シンディ・ハーバル
…人類最古の黒魔術を継承している最後の魔女。東京にある特異点を感知して日本へ来る。深夜の魔力が見える才能に出会い、魔術師の師匠になる。数少ない【魔導使い】。
・テレサ
…記憶喪失な絶世の美少女。覚醒者クラスはホーリーナイト。記憶を失い倒れているところを深夜に助けられ、麻藤家で居候になる。
「えっ、コーデリア?」
地球にコーデリアと言う名前の女性がいて、深夜さんと同じパーティ?
そんな偶然があるのか?
しかも、シンディさんはシンシアと見た目がそっくりだし……
「……レイさんは、コーデリア・クラウスの事は覚えているのですか? 実妹である私の事は忘れていたのに? 実妹よりも聖女ですか?」
「え、ちょ……玲奈さん?」
玲奈さんが変なスイッチが入ったかのように、目を細めながら実妹と聖女はどうなのかと言い寄ってきた。
……目が怖い。
玲奈さんはコーデリアさんと何かあったのだろうか。
「ちょ、ちょっと落ち着いて下さい、玲奈さん!」
危険だと思ったのか、テレーザが自分と玲奈さんとの間に入ってくれる。
「あ、すいません……コーデリア・クラウスとは仲間でしたが、恋のライバルでして……」
「え? 深夜さんと玲奈さんとは血の繋がった兄妹ですよね?」
「はい。実妹ですが……何か問題でも?」
「え、あ、うん。問題は無いのかな?」
「それで、レイさんはなんでコーデリア・クラウスをご存知で? 地球での人物に関する記憶は無いはずですよね?」
「うん、実は……」
自分は異世界での学園に同級生としてエルフ族のコーデリアや、シンディさんにそっくりなシンシアがいた事を話した。
「なるほど……コーデリアさんに、シンシアさん。それにテレーザさんですか」
「ん? なんでそこにテレーザが出てくるの?」
「ああ、お兄様が拾われたテレサさんの容姿はテレーザさんに瓜ふたつなんですよ」
「「え……?」」
テレーザにもそっくりな人が地球に居た?
明らかに偶然ではない確率に自分は驚く。
前世の自分の周りに居た人達が、今も自分の周りに見た目がそっくりで名前まで似ているなんて……。
「きっと、レイさんの【魔導術】と【……】様の力が影響しているのですね。それにこの世界は……【……】ですからね」
まただ……聞き取れないワードが。
これもいつかはわかるようになるのだろうか。
「あ、ちなみにですが……お兄様が結成したパーティ名は、『デッドリーロード』です」
「……」
このパーティ名は聞き取れない方が良かったかな……。
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