第468話 ジョブホッパー⑦
自分がテレーザに異世界転生していた事などを説明していると、初めて見る女性が入ったきたのだけど……何故か何処かで見たことがある気がした。
身長は160 cm位で白銀のサラサラした髪を腰くらいまで伸ばしていて、顔は童顔なのか10代後半にも見えるし、それ以上にも見える美人で、青いフチの丸眼鏡をかけ、スラリとした体型にジーンズと白いシャツ、そして青白い白衣を着た、不思議な研究者という印象の女性だった。
「お待たせしました。麻藤玲奈です」
「あ、玲奈さんだったんですね」
「はい、先程まではシンディクローンボディを遠隔操作していましたが、エネルギー切れ間近でしたので……」
「シンディクローンボディ? あの真素生命体はクローンなんですか?」
「ああ、真素生命体って見ただけで分かるんですね! 流石です。シンディクローンボディという名前ではありますが、正確にはシンディ・ハーバルさんの魂の欠片から培養したバイオボディのクローンです。だから、魂の無い入れ物なので他人の魂も入れられたりする便利な身体なんです」
「魂から培養? しかもクローン?」
理解が追いつかないが、自分の想像を遥かに超えた凄い技術だと言うのは分かった。
「はい、私が……というより、これもお兄様のアイデアを元に研究開発した技術で、魂の欠片さえあれば、その魂を持っていた人物と瓜ふたつな容姿の身体を作る事が出来る便利な技術なんです。これの最大の利点は、本来の適合する肉体が無くなった魂でも、拒絶反応が非常に少ない肉体を作る事が出来ることです」
「魂があれば……?」
というか、魂ってやっぱりあるのかな?
異世界転生があるから、魂もあるかもしれないとは思うけど、魂というものを確認する方法すら分からないんだけど、玲奈さんはそれすら可能にしているのか……。
てか、麻藤深夜のアイデアってどんだけ凄いんだ?
「まあ、最初の成功例があのシンディさんで、成功するには魂の強度が一定値を超えていないと駄目という問題があるので、誰の魂でも良いと言う訳ではありません。あと、魂を消耗してしまうと身体を造ったとしても、人としての人格形成が出来ない場合もあります」
「なるほど……?」
分かるような、分からないような……。
「魂の話も後でしますから、今はお兄様のその後の話をしましょうか」
「あ、そうですね」
いろいろ話がそれまくっているけど、元々は麻藤深夜について聞くためだった。
「それでは、お兄様が【魔導術】を……」
麻藤深夜は、シンディ師匠から【魔導術】を学び、次第に【魔導術】にハマっていくが、周りの人には【魔導】というものは認識出来ないので、周りからはブツブツと話しながら怪しげなポーズを取る怪しげな少年……夢想少年と馬鹿にされる様になったらしい。
そして、覚醒者の登場により世界は一変してしまったと玲奈さんは語りだした。
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