第461話 ジョブホッパー

「シンディさん、僕達の言っている事が分かりますか?」


シンディさんが目を覚ましてから3分位の時間が経過したのだけど、目を覚したけど魂が入っていないかの様に無反応だった。




名前・シンディ・ハーバル【……歳】

状態・……

属性・真闇

種族・真素生命体

パッシブ・魔女の極意

     真素変換、全属性魔法

     体力低下の呪い、身体能力低下の呪い

アクティブ・クローン生成

      真素化

      ……



あっ、再度【鑑定】してみたら、状態欄が気絶から……になってる。


最近では【魔導眼】が進化してから【鑑定】で分からない事はほとんど無くなっていたのに、金ピカの時もそうだけど、分からない事だらけだなと思う。


「【鑑定】結果はどうですか、レイ」


テレーザは自分が【鑑定】したのが分かったのか、【鑑定】結果を聞いてきた。


【鑑定】は完全隠蔽されている筈なのに、テレーザには自分の視線や表情で、自分が【鑑定】しているとかスキルを発動させている事が分かる時がある。


「う〜ん、状態が気絶から不明になった感じかな……結果は全く分からないって感じかな」


「そうなんですね……この瞳の色って、レイが【魔導眼】を発動させた時の色に似てますよね。それって、シンディさんも【魔導眼】が使えるって事ですかね?」


「それは分からないけど、スキルにも分からない事ばかりだから、もしかしたら僕みたいな眼を持ってる可能性は高いね」


「それなら、レイがシンディさんの体内に【魔導】を流して調べてみるのは、どうですか?」


「ああ、確かに【魔導】関係のスキルがあれば分かるかもしれないね。試してみるか」


無許可で、他人の体内に【魔導】を流すのはちょっと気が引けるけど、このままシンディさんが無反応のままでは困るので、仕方なく試してみる事にした。


「何が起きるか分からないから、念の為に拘束しておいてくれるかな?」


「分かりました。【天翔縛】」


テレーザの使った【天翔縛】は天使の羽根が部屋いっぱいに広がったと思ったら、すぐさまシンディさんの身体に集まり、身体を拘束する。


「よし、これで何かあっても部屋が崩壊する事は無いだろう」


まあ、既に部屋はボロボロだけど、それでもこれ以上は破壊させる訳にもいかないからな。


さてと……自分はシンディさんのお腹辺りに手を当て、シンディさんの体内に自分の【魔導】を走らせる。


あれ?


おかしいな。


【魔導】の流れがスムーズだぞ?


通常、他人の体内に【魔導】を流せば必ず抵抗され、流すのに苦労するはずなのに、シンディさんの体内は自分の体内みたいに違和感なく【魔導】が流れていった。

 

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る