第457話 キングレッツ・オブ・ゴールデン⑤
金ピカの放つ無数の黄金剣が自分達に向って迫って来ていた。
あの黄金剣が飛んでくるスピードは大したことが無いが……何だか嫌な予感がする。
「レイ! あの剣は私が捌きますから、レベルは本体をお願い!」
テレーザは咄嗟に自分前に出て、黄金剣を両手で捌こうとする。
テレーザはよく自分相手に模擬戦をしているから、武器を投擲されるのにはなれているだろうから、普段なら任せるけど、嫌な予感が拭えないので、黄金剣を【鑑定】する。
!?
「待って! あの黄金剣には触れないで!」
テレーザは自分の声を聞き、両手で捌こうとしているのを咄嗟に止め、後ろに下がりながら黄金剣を回避するが、飛んでくる量が多過ぎる為に回避だけでは間に合わない。
ガキンッ!!
ガキンッ!!
ガキンッ!!
自分は【真狼刀】を使い、テレーザが回避出来なさそうな軌道の黄金剣を弾き返す。
「ありがとう、レイ……え、武器が」
「やっぱり……」
自分は黄金剣を弾いた【真狼刀】の刃を見てみると、表面が金色に変化していた。
「これは?」
「あの剣は【黄金剣】って言うらしくて、触れたものを黄金に変えてしまう呪いがかかっているから、素手や防具で防いでも危ないみたいだよ」
「素手が金色になったら……」
武具が金色になるくらいならまだしも、肉体が金色になるのは恐怖でしかない。
「数が多過ぎるな……【転移眼】!!」
自分は上空から飛んでくる黄金剣を視界に入れ、【転移眼】を発動させる。
すると、視界内にある黄金剣はあっという間に消えてしまう。
「くっ……」
「大丈夫?」
「うん、【転移眼】は目に負担が大きいけど、あの黄金剣を直接防ぐよりはマシだからね」
【転移眼】は視界内にあるものを強制的にどこかへ飛ばしてしまう危険なスキルで、飛ばすものによって眼への負担がかなり違い、黄金剣はまだ負担が少ない方だしな。
「確かにそうね……あの黄金剣もあれで全部なのか分からないけど、急に撃ってくるのが止まったわね」
「たぶんだけど、本体が突っ込んで来るから、撃つのをやめたんじゃないかな」
金ピカはもう数秒後には間合いに入る位には接近しているから、遠距離攻撃をする必要が無いのかもしれない。
「なるほどね……それじゃあ、まずは私がいくわ! レイはサポートよろしくね」
「了解!」
とは言っても、どうやってサポートする?
「ゴルッ!!」
迷っている間にも金ピカは既にテレーザの間合いまで接近しており、殴り合いが始まった。
ドゴンッ!
ドゴンッ!
ドゴンッ!
金ピカとテレーザの殴り合っている一撃は全てが必殺レベルの破壊力があり、自分がまともに食らえば即死しそうな感じがした。
ってか、【無天真装外骨格】を纏ったテレーザと互角の殴り合いが出来るって、やっぱり金ピカはヤバイな……。
【無天真装外骨格】はまだ未完成ながらも、性能面ではかなり高く、自分の予想では金ピカよりは強くなると思っていたんだけど……まさか互角とは。
それに、【無天真装外骨格】はまだ未完成だから、全力を出せるのも数十分だけなんだだから、それまでに金ピカに大ダメージを与えられなくては、自分達が負ける気がする。
しかし、呪いが全く効いてないし、圧縮固定は何回もやってるからどこまで効くか分からないし……どうするか。
ドゴンッ!
ドゴンッ!
そう言いば、弱点の正義ってどんな属性なんだ……
金ピカが思う正義が弱点だということか?
あ、正義と言えば……試してみるか。
自分は試しに、【真狼刀】の6本に【魔導力】を満たし、技を発動させる。
「魔導六刀流【正義の審判】!!」
6本の【真狼刀】はテレーザと金ピカを囲うように正六角形に展開し 刀が地面に刺さると、地面に魔法陣の様な模様が現れる。
すると、金ピカは突然苦しみだした。
「ゴルッアアアア!!!」
しかも凄い苦しみ方で、頭を抱えながら膝をついてしまうほどだった。
「え、マジで効いた?」
「レイ、何をしたの?」
テレーザは突然苦しみだした金ピカに驚きながら、自分の隣まで下がってきた。
「う〜ん、【正義の審判】って技を使ったんだけど……」
「え、それって、微々たる支援効果があるだけの趣味技じゃないの?」
「その筈なんだけど……正義が弱点ってあったから、名前に正義とつく技はどうかなと使ってみたら凄い効果だったんだよね」
本来の【正義の審判】は、仲間と認識する人には精神支配系の攻撃から守りつつ精神力が向上し、敵と認識するものには精神攻撃をするものだけど、効果は微妙で、精神攻撃ならばもっと良い技があったりするんだよな。
【マスター、マドウレーザーサイジュウデン、カンリョウ】
あ、魔導レーザーが使える様になったみたいだ。
これはチャンスだな。
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