第454話 キングレッツ・オブ・ゴールデン②
ドゴンッ!
ドゴンッ!
ドゴンッ!
【魔導バイク】に搭載されていた弾を全弾発射し終わったときにテレーザが僕の元へ戻ってきた。
「あの金ピカは凄く強いわね……私が本気で闘っても時間稼ぎが精一杯よ。【鑑定】はどうだったの?」
テレーザが本気出していて精一杯って、やっぱりヤバイな。
「ああ、ステータスはメチャクチャで分からない事ばかりだったけど、総合脅威度は48000と高いから、間違いなく強敵だよ」
「弱点は?」
「正義だって」
「えっ? 正義が弱点ってあるのね、属性は悪とか?」
「いや、属性は黄金で、職種は黄金の超絶真闘士“……”。種族は魔神族“煌めく黄金の鎧化”だって」
「……確かにレイの言うとおりでメチャクチャみたいね。あの弾でダメージが入ってれば良かったけど。ダメだったみたいね」
テレーザの言うとおりで、あの金ピカには【魔導バイク】に搭載されていた弾などはほとんど効かなかったみたいで膝はついていたが、脅威度は相変わらず減っていなかった。
そして長年【鑑定】しながら戦っていたので分かるが、ダメージを受ければ見た目で無傷でも脅威度は下がるのだ。
理屈は分からないけど、凄く便利なのでこまめに【鑑定】をしながら戦う癖をつけていた。
「ああ、期待はしていなかったけどね、予定通りかな」
脅威度は下がらないけど、ネバネバ弾と蜘蛛糸弾は効果があったらしく、金ピカは身動きが取れずにジタバタしていた。
「レイ……本当にアレを全力で撃つの? 前回の試し撃ちですら、あんなに怒られたのに……」
「ああ、あのときは僕とテレーザは街長に超怒られたんだよな」
この街の街長は、普段は温厚なお姉さんなんだけど、あんなに激怒するとは思わなかった……まあ、それだけの事をしたんだろうけど、今回はそれよりも更に怒られるだろうな。
『マスター、コウシュツリョクマドウホウ、ノジュンビガ、カンリョウシマシタ……ハッシャノショウニンヲ、オネガイシマス』
機械音声が聞こえてきた。
タイミング的にはバッチリだな。
『よし、発射!』
『ハッシャ、シマス』
ドゴオオオオオオオオオオオオン!!!!
発射の合図をした瞬間、金ピカのいる位置に上空から数百mにもなる超極太のレーザーが照射された。
かなり離れた距離にいる僕達にも大地震が起きたかのような大地の揺れが発生した。
「うおっ、流石は全力出力だな……」
身体能力が低い僕ならば分かるが、身体能力の高いテレーザですらまともに立っていられない程の揺れが発生したという事は、街にもかなりの被害が……
ブワッ!!!
「キャアア!!」
「ウオッッ!!」
大地震級の揺れに耐えるのがやっとだったのに、その後に発生した爆風により、テレーザは尻もちをつき、僕は簡単に吹き飛ばされてしまった。
★
「これは予想外の被害かもしれないわね……」
「うん、ヤバイかも……」
僕とテレーザは、極大クレーターと、半壊した街の大壁を見てため息をついた……。
「ゴールデーン!!!!」
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