第448話 エンジェルショップ
自動販売機改め、エンジェルショップを今日から導入する事にした。
「デカイわね……」
テレーザはエンジェルショップを見上げながら眺め、ポツリとつぶやく。
「まあ、いろんな機能を追加していたら、こんな大きさになっちゃったんだよね……」
液晶とかを開発出来たら違ったんだろうけど、ボタンで全自動を再現しようとしたら、結構な大きさになったんだよね。
品数は20品……商品説明表示機能、個数選択ボタン、梱包機能、コイン認識機能、お釣り支払い機能、夜間点灯機能等々……必要かなって思う機能を付けたら、幅2m、高さ2.4m、奥行き5mという巨大さになったのだ。
「それに何でエンジェルショップなの?」
「それは何となく……」
セシリアショップはセシリアが店長兼人気店員脱だったからだけど、エンジェルショップには天使でもあり、人気店員のテレーザの似顔絵が貼ってあるとか、テレーザの声で対応してくれる機能があるからなんて言いにくい……。
ちなみにだけど、商品はシフォンケーキやフィナンシェ、マドレーヌなどの焼き菓子や回復ポーション、解毒ポーション、強化ポーションなど、あとは洗顔剤や石鹸、シャンプーなどの日常消耗品などを販売する。
これらは店舗内でもかなりの売上が有り、数量限定にしているのもあって数時間で完売していた。
この世界でも【素材の極み】は大活躍な上に、新たに覚えた【職人の極み】は経験した職人技が神業級に昇華されるという生産職の最終形態みたいなスキルで、これにより作られたお菓子は至高の一品となり、初めて食べた人は膝をつき泣き始めたりする位のヤバさがあった。
しかも、お菓子なのに体力回復や健康化、肉体最適化とか意味の分からない効果まであるヤバさ爆上げなのだが、これに関しては【鑑定眼】でしか分からない為、誰にも話していない秘密である。
常識人であるテレーザがこんなヤバい効果のあるお菓子だと知ったら販売を中止にするんだろうな……。
「どうしたのレイ。私の顔を見て……」
「あはは、何でもないよ。今日は何をしようかね」
「そうね……今のところ魔神族が襲撃してくる気配も無いし、店舗販売が無ければ暇なのよね」
フリーの傭兵である自分達には決められた仕事は無く、魔神族が襲撃してきたら自主的に殲滅して【魔結晶】を抜き取っているけど、逆に言えば襲撃が無ければ店舗販売位しかやる事が無いので暇なのだ。
販売している商品も複製室で材料さえあれば勝手に量産されているし、やることはあまりないのだ。
「それじゃあ、街でもフラフラ散策する?」
「うん、そうしましょう!」
街は常に警戒態勢ではあるけど、またには街中をブラブラするのも良いだろう。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます